コートに込めた三陽商会の「ほんとうにいいもの」という考え

  三陽商会が今年、75周年を迎えた。1943年に設立して以来、世代を超えて愛され続けているのは代名詞と言えるコートだ。5年前には日本の匠の技を結集させた「100年コート」を発表。一着に込められた三陽商会ならではのものづくりの姿勢について、サンヨーコート(Sanyo Coat)企画MDの石田和孝氏に聞いた。

「サンヨーコート(Sanyo Coat)」の企画MDの石田和孝 - Image: Fashionsnap.com

 三陽商会は1946年に防空暗幕を使用したレインコートを発表して以来、絹の光沢を持つオイルシルク製のレインコートや、シルエットの異なる襟を付け替えることのできる「プラスカラーコート」など、多様なコートを生み出してきた。設立70周年を迎えた2013年には「ほんとうにいいものをつくろう。」という理念の元に、永く愛されることをテーマにした「100年コート」を発表。親から子、そして孫に受け継がれる一着として、トレンチコートやバルカラーコートを展開している。
 
 紳士服や婦人服、子ども服など幅広く手がけてきた同社が、「100年コート」を通じて創業アイテムであるコートに改めて焦点を当てることで、企業としてのメッセージを込めた。それが同社の創業者である吉原信之の「多くの人が使って愛されるものがいい」という考えだ。老若男女が着られ長く使えるにはアフターケアが重要とし「100年オーナープラン」が設けられているのも特徴。メンテナンスが必要になった時に職人といつでも相談ができ、購入から3年ごとに行われる定期診断では生地の擦り切れやボタンの緩みなど10項目を点検して一部は無償で補修を行う制度となっている。売って終わりではなく、着る人と長く付き合っていくことこそが「100年コート」たる所以だと石田氏は言う。「コートを通じて長くものを大事にする心を伝えたい。長く着ることがかっこいいという価値観が広がって欲しい」。
 
 店舗では親子で来店する姿も見られ、就職活動や仕事を始める時など、節目に「100年コート」が選ばれることも多いという。石田氏は「例えば親子の間で何か大切なものを贈る時、それぞれの想いがあると思います。そういった気持ちが込められた、ストーリーのあるブランドになれたら」とし、受け継がれた伝統と信頼を守りながら、革新的な取り組みも行っていきたいとしている。

 

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