バングラデシュ、安全性確保に関する協定を更新 大手数社が署名せず

 バングラデシュ・ダッカ近郊ビル崩落事故を受けて制定された縫製工場の安全性確保に関する国際協定「アコード(バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関する協定)」が今年5月に終了し、その後3年間の延長が決まっている。しかし、アバクロンビー&フィッチ(Abercrombie & Fitch)やラッパーのショーン・コムズによるアパレルブランドといった大手メーカーの中には、更新した協定に署名しなかった企業が少なくない。

Abercrombie & Fitch

  労働環境改善を求めるロビー団体「クリーン・クローズ・キャンペーン(Clean Clothes Campaign)」によると、初期の「アコード」に合意した220社のうち175社が協定の延長にも署名したが、アバクロンビー&フィッチ、コムズ手掛けるショーン・ジョン(Sean John)、イギリスのエディンバラ・ウーレン・ミル(Edinburgh Woollen Mill)、そして家具大手イケアといった有名企業は二度目の署名を行わなかったという。
 
 「彼らは、自社と自社の顧客にとって好ましくない行動をとっており、商品を生産する労働者の命を危険にさらしている」と同団体。
 
 2013年に起きたダッカ近郊ビル崩落事件では1100人以上が犠牲になり、衣料品産業における劣悪な労働環境が問題視された。
 
 以来、バングラデシュの工場で生産を行う先進国ブランドには、労働者の安全確保に関する責任が重く課せられている。
 
 ショーン・ジョンは取材に対する回答を控えており、エディンバラ・ウーレン・ミルは担当者不在だった。
 
  また、アバクロンビー&フィッチは2018年版の協定を見直している最中だと回答し、イケアは自社独自の安全監査プログラム「IWAY」を選択したとしている。

 5月末で終了した最初の協定とは違い、更新後の「アコード」は、イケアのように衣料品ではなくホームファブリックやテキスタイルを生産する企業にも対応したものになっている。
 
 「クリーン・クローズ・キャンペーン」はこれらの企業に対して至急署名をするよう促しており、検査所見や公的報告書を作成しない「IWAY」のような代替プログラムでは透明性が十分でないとの見解を示した。
 
 イケア社は、トムソン・ロイター財団にメールで宛てた声明の中で、「我々は非常に競争の激しい市場で展開しており、市場競争という観点から、バングラデシュや他の国におけるサプライヤーのリストを公表することができない」と説明している。

西洋向け衣料品の生産において、バングラデシュは中国に次いで世界第2位の国であり、同国の輸出の 8割以上を衣料品産業が占めている。
 
 

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