パリ オートクチュール開幕、充実のスケジュール

 昨年亡くなったピエール・ベルジェ(Pierre Bergé)も驚いているかもしれない。イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)は、2002年に引退して以来オートクチュールの死を予言し続けてきたが、今季のスケジュールを見るに、その心配はまだ先のことになりそうだ。

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Valentino - Spring-Summer2018 - Haute Couture - Paris - © PixelFormula

 パリ オートクチュールファッションウィーク2018-19年春夏シーズンが、7月1日から5日間にわたって開催される。伝統的なクチュールコレクションだけでなく、昨今はこの期間中にイベントを行うレディ・トゥ・ウェアのブランドも少なくない。今季は特にフランス服飾連盟(Fédération de la Haute Couture et de la Mode)(以下、FHCM)設立150周年にもあたる。その起源は、チャールズ・フレデリック・ワース(Charles Frederick Worth)がオートクチュールを始めた1868年まで遡る。
 
 公式スケジュール上では35のランウェイショー(うち「シャネル(Chanel)」と「アルマーニ・プリヴェ(Armani Privé)」は2度のショーを行う)が予定されているが、それと同数の非公式イベントも。クチュールの顧客を一定数抱えているメゾンは数えられる程度だが、「ジバンシィ(Givenchy)」、「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」、「シャネル」、「アルマーニ・プリヴェ」、「エリー・サーブ(Elie Saab)」、「ジャンポール・ゴルチエ( Jean Paul Gaultier)」、「ヴァレンティノ(Valentino)」といった主要7ブランドはいつも通りにオートクチュールコレクションを披露する。大手の一番手は「ジバンシィ」で、初日のトップバッターを飾るのはオランダ出身のロナルド・ファン・デル・ケンプ(Dutchman Ronald van der Kemp)手掛ける「RVDK」だ。
 
 他にも、「ソニア・リキエル(Sonia Rykiel)」による新ライン「L’Atelier」のデビューコレクションが初日にパリ国立高等美術学校で発表されるほか、開幕前夜には「ミュウミュウ(Miu Miu)」がクルーズコレクションのショーを行う。
 
 また、ベオグラード出身のナナ・アガノヴィッチ(Nana Agonovich)手掛ける「アガノヴィッチ」、モンテ・カルロの「ブルック・テイラー(Brooke Taylor)」や、アゼルバイジャン出身のデザイナーがロンドンで立ち上げた「Gynel」、ロシアの「ウリアナ・セルギエンコ(Ulyana Sergeenko)」、同じくロシア出身でテルアビブを拠点にする「ガリア・ラハブ(Galia Lahav)」など、国際的な顔ぶれも健在だ。
 
 そして何と言っても、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の「ヴェトモン(Vetements)」がクチュール期間にカムバックを果たして行うショーは見逃せない。

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Fendi - Fall-Winter2017 - Haute Couture - Paris - © PixelFormula

 不在となるブランドも幾つか見られ、9月のレディ・トゥ・ウェア期間にショーを行うと決定した「A.F.ヴァンデヴォースト」や、昨年アメリカから移ってきた「プロエンザ・スクーラー(Proenza Schouler)」、「ロダルテ(Rodarte)」の2ブランドも、ニューヨークへ戻る。
 
 そして初日の午後には、公式 スケジュール外のショーとして、「エルメス(Hermès)」がフォブール・サントノレ通りにある旗艦店でプレコレクションのショーを行う。
 
 パリの街はファッションの展覧会にも事欠かず、パリ市立ガリエラ美術館の「Margiela / Galliera, 1989-2009」から、アライア財団による「L’Alchimie secrète d’une collection」も。
 
 さらに、毛皮を意味する「フェンディ フリュール(Fendi Fourrure)」から「フェンディ クチュール(Fendi Couture)」と名を改めた「フェンディ」のクチュールラインは、会場も新たに、パリ旧証券取引所で発表される。
 
 最終日はヴァンドーム広場を中心に、「ブシュロン(Boucheron)」、「ショパール(Chopard)」、「デビアス(De Beers)」、「ディオール・ジョワイユリ(Dior Joaillerie)」、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」などがハイジュエリーを披露する。
 
 クチュールはまだまだ求心力を失ってはいないようだが、皮肉なことに大手メゾンとして不在が目立つのは、何よりも「サンローラン(Saint Laurent)」だ。2005年にエディ・スリマン(Hedi Slimane)が一度きりのクチュールショーを行ったきりで途絶えている。

 

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