パリ ファッションウィーク:「ニナ・リッチ」退任疑惑のギヨーム・アンリ、本人は噂を否定

 「ニナ・リッチ(Nina Ricci)」は3月2日、ギヨーム・アンリ(Guillaume Henry)による最新コレクションをパリで発表した。退任疑惑が一部メディアで報じられたギヨーム・アンリだが、「ニナ・リッチ」側はその噂を正式に否定している。しかし、どこかしら終わりの予感の漂うイベントであったことは事実だ。

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Nina Ricci - Fall-Winter2018 - Womenswear - Paris - © PixelFormula

  8区にある豪奢なポトッキ邸に設けられたキャットウォークにモデルが登場すると、そこはかとない緊張感が漂った。コレクション自体には、アンリによる「ニナ・リッチ」の良い部分と悪い部分の双方が出ている。
 
 オープニングを飾ったパウダーブルーのタキシードシャツにはエレガントな浮遊感があったし、スリムなブラックのユサールジャケットも、美しいカッティングだった。素材使いも面白く、グレイッシュなカラーのコートやネグリジェドレスは、液状ゴムでできているのかと見紛う質感だ。
 
 しかし、やや洗練を目指し過ぎたアプローチも目立つ。例えば、バックルのように使ったメタルのリングはやり過ぎで、特にブラックドレスには合っていない。さらに、英国警官のようなケープは必要が無かったように思われる。
 
 ただ、最後に登場したスパンコールのスリップドレスやメタリックシルクのビスチェトップなどは、ギヨーム・アンリがいかに優れたデザイナーかを思い出させてくれるものだった。

 バックステージで、アンリは例の噂について当紙にこう語ってくれた。「いや、『ニナ・リッチ』は辞めないよ。それに今は噂について話すべき時じゃない。特にショーの日の話題ではないね!」。
 
 「ニナ・リッチ」側もメディアの報道に関しては否定の声明を発表したものの、デザイナー本人のコメントよりは幾分か曖昧な言い回しだ。「報道されている情報は全くの推測であり、現実に則したものではありません」と述べてはいるが、完全な否定かというと少し考える余地がある。

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Nina Ricci - Fall-Winter2018 - Womenswear - Paris - © PixelFormula

 バックに流れる『Vie Mort et Résurrection d’un Amour Passion(生、死、そして愛の復活、情熱)』では、ジェーン・バーキンが失恋の悲しみを歌う。とにかく何が起こるにしろ、この曲がショーの雰囲気を何よりも雄弁に物語っていた。
 
 ちょうど3年前、「カルヴェン(Carven)」を去ったギヨーム・アンリは「ニナ・リッチ」に就任した。近しい関係者筋によれば、アンリの契約期間は3年で、3月に更新されることになるという。離別があるとすれば、会社側にとっても良いタイミングだろう。
 
 アンリは「ニナ・リッチ」に対する投資が不十分であることを不満に思っており、それを友人たちにも漏らしていた。退任の理由にもなり得るだろうが、パリにはまだ彼を応援する人々が多く残っている。「ニナ・リッチ」でのデザインは難しいところだが、「カルヴェン」で成し遂げた功績が忘れ去られることはない。
 
 

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