パリ ファッションウィーク:「バレンシアガ」、国連WFPに捧げるコレクション

 「バレンシアガ(Balenciaga)」がパリで発表したランウェイショーは、国際連合世界食糧計画(World Food Programme)(以下、国連WFP)に捧げられた。コレクションには、同機関のロゴが様々な形で用いられている。

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Balenciaga - Fall-Winter2018 - Womenswear - Paris - © PixelFormula

 セットは巨大なもので、全長20メートルはあろうかという雪山は、大きな落書きに覆われていた。「Balenciaga, Power of Love, Speed or Enter」というメッセージが読み取れる。グラフィティのカラーパレットは、ドレスやタンクトップ、ストレッチトップスやストッキングブーツにもあしらわれた。
 
 ブランド初となるメンズ・ウィメンズ混合のショーを発表したデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)。中でも目を引いたのは腰から広がるシルエットの"バスク(Basque)"ジャケットで、スコティッシュチェックで仕立てたそれはテーラードの気品すら感じさせる。そして非常に"バレンシアガ的"なものだった。また、メンズのシャツには実在するフランスの電話番号が記されていて、そこへ掛けてみると「バレンシアガ」のホットラインに繋がり、靴のサイズや身長、色の好みなどを問いかける自動音声が流れる仕組みだ。
 
 前半はスリムなルックが続き、ウィメンズにはゼブラプリントのカクテルドレス、そしてメンズにはシャープなアングルのショルダーラインを描くロングジャケットが提案された。しかし、中盤では一ボリュームもレイヤードも増す。ロックTシャツと国連WFPロゴ入りのスウェットシャツ、チェックのグランジシャツに、大ぶりなフリンジのついたレザーロデオジャケットなどを重ねたスタイリングが登場した。
 
 エキストララージシルエットのオーバーサイズパーカも多数見られたが、特にタータンチェックのものが印象的だった。ボリュームとモダンな素材、というメゾンのDNAと、政治的なメッセージの込められたデムナのストリートな感覚が上手く融合したコレクションだ。
 
 今回のテーマは、デムナ自身が個人的に体験したものだ。幼少時、家族と共に戦時下の故郷を追われた過去がある。
 
 「国連WFPとのパートナーシップは重要なステップになると考えました。ファッションを今までとは違った形で役立て、商品を通じて慈善活動を支えることができるのです」とヴァザリアはショー直後のプレスリリースで発表している。
 
 パリの北にある会場近くでは、通りを歩くだけでも飢えに耐える人々を目にする。自らの来た道を忘れない、デムナのようなデザイナーは貴重な存在だ。

 

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