伊勢丹松戸店が43年間の歴史に幕、雨の中で閉店セレモニー開催

 伊勢丹松戸店が最終営業日を迎えた3月21日の今日、43年間にわたる歴史に幕を下ろした。営業終了後には正面玄関前で閉店セレモニーを開催。雨が降り続くあいにくの天気となったが、大勢の常連客が集い、ドアが閉まる最後の瞬間を見守った。

閉店セレモニーで伊勢丹松戸店クロージングソング「With The Music」を披露-画像: Fashionsnap

 JR松戸駅から徒歩5分の場所に立地する伊勢丹松戸店は、1974年4月に開業。1995年10月には新館がオープンし、ピーク時の1996年には336億円の売上高を記録するなど順調に売り上げを伸ばしていた。その後は消費者の購買行動の変化や、同一地域内の競合環境が厳しくなったことなどにより売り上げが低下し、赤字が恒常化。2013年には大規模なリモデル投資を実施したが黒字化には至らず、2008年度から2016年度にかけて計約38億円の減損損失を計上し、2017年3月期は売上高が181億円まで落ち込んでいた。当初は市が賃料を支払う形での支援策が検討されていたが、これが否決となり、昨年9月28日に開催された取締役会において撤退が決まった。

 閉店に伴い、3月14日から今日までファイナルフェスタを開催。また、正面玄関には来館者からのメッセージカードが飾られ、当初用意していた3,000枚を大きく上回り、1万枚を超えるメッセージカードが寄せられたという。また顧客とともに「チロルチョコ」の包み紙2,294枚で「Thank you!」の文字を作ったことがギネス世界記録に認定され、記念に展示された。

 閉店当日は開店前に約1,000人が並び、通常より10分早めて9時50分に開店。開業時から通い続けてきたという70代と40代の親子は、「特にお歳暮などのシーズンは、伊勢丹の包み紙だからこそ利用していた。今後はどこに買いに行けばいいのか」と寂しそうな表情を浮かべた。勤続年数20年以上の従業員は「人生の3分の1を伊勢丹で過ごした。伊勢丹のおかげで元気でいられたので残念」と話した。

 閉店セレモニーは19時30分にスタート。雨のなか建物の前には多くの来館者が集い、「43年間ありがとう伊勢丹」というメッセージを大きく掲げた常連客の姿もあった。冒頭では、同店に携わったアーティスト達がI.M.T Familiaとして特別に制作した伊勢丹松戸店クロージングソング「With The Music」を披露。歌詞は従業員から寄せられたアイデアをミックスして作られた。

 同店の橋淳央店長は、閉店が決まってから顧客や従業員と一緒に作り上げる"体験の場"を意識してきたという。メッセージカード、ギネス記録への挑戦、そしてクロージングソングの3つは「記憶と記録に残るもの。私たちの絆の一つと勝手ながら思っている」とスピーチした。

 伊勢丹松戸店はデパートとしての営業を終了するが、物販機能を備えた新たな拠点を開設する予定で、現在はその準備を進めている段階だという。

 千葉県内では百貨店の撤退が相次いでおり、2016年9月にそごう柏店、昨年3月に三越千葉、そして今年2月には西武船橋店が閉店している。橋店長は報道陣の囲み取材のなかで、都心郊外店の課題として「商品はいろいろ置いてあるが、来店してもらうための魅力が足りない。イベントなどで来てもらえる施策がファクターの一つになるのでは」と話した。

■伊勢丹松戸店
所在地:千葉県松戸市松戸1307番1号
従業員数:約360人

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