新型アップルウォッチ、スイス時計業界への脅威となるか

  心電図を検知する新型アップルウォッチ(Apple Watch)が発表されたが、これがスイスの時計業界への脅威となる可能性があるという。特に、年配の消費者にとっては今回追加された機能が大きな魅力になると専門家は分析する。

Reuters

 アップルが9月12日に発表した「Apple Watch Series 4」は、心拍数や心音に異常が生じた場合、自動的に緊急通知を送信する機能を備えている。
 
 「ただの進化という枠にとどまらず、革命にもなり得るだろう。デジタルファンのギークだけではなく、45歳を超えて健康に敏感な層まで取り込める」と自身のウェブサイトbusinessmontres.comで評したのは、時計業界に詳しいGregory Pons氏だ。
 
 アップルは時計市場でのシェアを急速に伸ばしており、コネクテッドテクノロジー専門リサーチ会社CCS Insightによると、今年中にもスイスの時計業界の全世界売上に迫る見込みだ。スイス製時計は2017年に2400万個が国外へ輸出している。
 
 特にスイス製時計のエントリープライスとされる500ドル以下の商品に関しては、この数年で大きく売上が落ち込んでおり、その主な原因の一つにスマートウォッチの台頭が挙げられる。
 
 上記の”エントリープライス”カテゴリに分類されるのは、スウォッチ(Swatch)グループ傘下の「スウォッチ」や「ティソ(Tissot)」、「モンディーン(Mondaine)」、そしてアメリカ発の「フォッシル(Fossil)」といったブランドだ。
 
 「アップルウォッチはさらに進化を続け、ニーズに合った様々な機能が追加されていくだろう。エントリープライスのスイス製時計にとっては苦境が深まることになる」とエクサンBNPパリバのルカ・ソルカ(Luca Solca)アナリスト。
 
 「ゼニス(Zenith)」、「ウブロ(Hublot)」、「タグホイヤー(Tag Heuer)」といったブランドを束ねるLVM時計部門のトップを務めるジャン=クロード・ビバー(Jean-Claude Biver)は、一定以上の価格のスイス製時計に対してアップルウォッチが脅威になることはないと考えているようだ。
 
 むしろアップル製品をきっかけに時計に興味を持ち、次の段階としてスイス製の高級時計を買い求めるようになる人もいるはずだ、と同氏はメールでコメントを発表している。
 
 高級ブランドを多く展開するスイスのリシュモン(Richemont)の株式は1315GMT時点で0.2%上昇したが、一方でエントリープライスの比重が大きいスウォッチグループ株は0.6%下げている。
 
 また、フィットネス機能を備えたスマートデバイスとしてはアップルウォッチの競合相手にあたるフィットビット(Fitbit)は、「Series 4」の発表後に6.9%株価を落とした。
 
 

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