バルマンが新しい成長戦略発表

 今年4月にバルマン(Balmain)のトップに就任したマッシモ・ピオンビーニ(Massimo Piombini)CEOは、「この小さな会社をラグジュアリー業界の大きな現実に変えていく」ためにも、新しい一歩をすでに踏み出しているようだ。アルタガンマがミラノで開催した、世界のラグジュアリー業界に関するカンファレンスにて、同氏はブランドの新戦略の要となる方針を幾つか発表した。

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Olivier Rousteing - © PixelFormula
 
 2016年、カタール王室の投資ファンド、マイフーラ(Mayhoola)に買収されたバルマン。最近では、成長を加速すべく経営陣を強化している。新設したマーケティングディレクター職にはチャンピー・ディス(Txampi Diz)を任命し、全部署を再編成してセールスディレクター、マーチャンダイジングディレクター、ファイナンスディレクターをそれぞれ雇用した。
 
 「コミュニケーションの観点から言えば、『バルマン』には普通ではない露出がある。会社の実際の規模には不釣り合いなくらいだ。SNS上で非常に人気のあるアーティスティックディレクター、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)のお陰だろう」とピオンビーニCEO。
 
 31歳のルスタンは、インスタグラムのフォロワー数460万人を誇る。「ミレニアル世代に影響力がある。というのも、オリヴィエ自身がその一人だからだ!彼がSNSで成功したのは、プライベートな生活をも一般の人と共有することで、アーティスティックディレクターという役割のもつエリートで排他的なイメージを払拭し、より近しい存在として認知されたからに他ならない」。
 
 オリヴィエ・ルスタンが「『バルマン』にとって一番重要な存在」であることは事実だが、会社としては、アーティスティックディレクターのみに依存する状態を徐々に脱していきたいとの意向もある。彼の人気をブランドの下でコントロールし、事業拡大の方策の一つとして取り込んでいいくことがねらいだ。
 
 「"エンターテイメントマーケティング"によって、膨大な数のフォロワーをビジネスチャンスに変えていきたい。オーセンティックなやり方で消費者の日常に寄り添い、『バルマン』に関わってもらう」とCEOは説明している。
 
 多岐にわたる提携先とコンテンツを制作し、様々なエンターテイメントを通じて消費者に働きかけるという試みになる。実際、CEOは11月初めにシリコンバレーに飛び、アマゾン(Amazon)やフェイスブック(Facebook)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google)など、様々な企業と対談する予定だ。
 
 また、未開拓の中国市場に乗り出すため、アリババ(Alibaba)とも今後は話し合う場を持ち、「コンテンツを開発する」という。「広告の話ではない」とも付け加えた。
 
 他にも、『ヴァレンティノ:ザ・ラスト・エンペラー(Valentino: The Last Emperor)』などを手掛けたマット・ティローノーアー(Matt Tyrnauer)監督のチームが、7月からオリヴィエ・ルスタンに関する映画の撮影準備に取り掛かっているという。『The Wonder Boy』のタイトルで、2019年に公開される。カンヌ映画祭にも出品する予定だ。
 
 精力的に様々なコラボレーションを行っている「バルマン」は、パリ・オペラ座の衣装を手掛けるほか、上海で行われる「ヴィクトリアシークレット(Victoria Secret)」のショーにも20ルックを提供する。
 
 2017年通期には売上高1億5000万ユーロ(約200億7200万円)超を見込んでおり、うち90%が卸売によるものだが、同時に小売にも力を注いでいる。「バルマン」は現在世界各国に16店舗の単独店を展開しており、最近ではロサンゼルスに新店舗をオープンしたかりだ。今後4~5年で30店舗ほどの新規出店を計画しており、来年4月にはミラノのモンテナポレオーニ通りに、そして11月にはマイアミに店舗を開設する。
 

(2017年10月26日現在、1ユーロ=134円で換算)

 

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