ヴィヴィアン・ウエストウッド「ファッションより気候問題に関心」

 先日イタリアで開催されたイスキア映画祭(Ischia Global Film & Music Festival)でエクセレンス賞を受賞したヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)。「デイム」の称号も持つ彼女は、ファッションよりも地球温暖化問題に夢中のようだ。

Vivienne Westwood(右) Pascal Vicedomini(左) - Photo: Ischia Global Fest

 「ファッションには飽き飽きなの。それよりも地球の健康に関心を持っているわ。あと一世代で何とかしないと手遅れになる」とヴィヴィアン・ウエストウッド。
 
 同映画祭では、過去2年間でジャン=ポール・ゴルチエ(Jean-Paul Gaultier)やキャロリーナ・ヘレラ(Carolina Herrera)といったファッションデザイナーがエクセレンス賞を受賞した。
 
 現在、彼女のブランドでは、夫のアンドレアス・クローンターラー(Andreas Kronthaler)が実質的にデザインを手掛けている。今年9月のパリ ファッションウィークで2019年春夏コレクションを発表するほか、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)手掛ける「バーバリー(Burberry)」とのコラボレーションも12月初頭に発売予定だ。
 
 「『ウエストウッド』のクラシックなテーマが詰まったユニークなコレクションになるはずよ。アンドレアスが作る美しいカッティングのブレザーとか、私のアーカイブにあるパンク時代のキルトもね。でも、全てのアイテムを『バーバリー』のチェックで作るの。とてもクレバーなアイディアでしょう」とウエストウッドは笑う。
 
 77歳になっても多忙を極める彼女は、地球温暖化問題へ熱心に取り組んでいる。ブログ「Climate Revolution」も精力的に更新している様子だ。
 
 受賞のスピーチで、「私たちは大きな問題を抱えています。政治家は科学者の話を聞きません。食い止めるにはたった20年しか残されていないのです。もし手遅れになれば、パリより下の地域には住めなくなる。今世紀末には、地球上にたったの10億人しか残らない計算です」と訴えたウエストウッドに対し、観客からは拍手が沸き起こった。
 
 ウエストウッドは他にも、イギリスの熱帯雨林保護財団クール・アースを通じて、熱帯雨林保護に尽力している。
 
 「森を買うつもりはないけれど、先住民族の人々と協力して、彼らが森の一部を合法的に所有できるように動いているわ。あそこに数百年住み続けてきた人たちですからね。自分たちの土地のことを真剣に考えているし、伐採業者から森を守るための資金も彼らに提供している。1億ポンド(約146億円)で熱帯雨林全てを救うのが目的よ。英国女王も参加して、上手くいっているわ。たった1ポンドで1本の木が守れるの」と話す彼女は、「エコな経済と大量絶滅、私たちに選択の余地はない」とも力説した。
 
 2年前には初孫も誕生したヴィヴィアン・ウエストウッド。1971年にマルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)と「Let It Rock」を開店し、74年に店名を「SEX」と改名してパンクムーブメントの火付け役となった。タータンキルトやテディ―ジャケット、レオパードのダメージトップスやボンデージギア、アナーキーなスローガンなどは、当時パンクスたちのユニフォームだった。
 
 しかし、1992年にはコレクション発表の場をパリへと変更。マリー・クワント(Mary Quant)以降初となる英国人デザイナーとしてパリ ファッションウィークに参加した。「アングロマニア(Anglomania)」と「レッドレーベル(Red Label)」では、よりシアトリカルなコンセプトに移行しつつ、17世紀から18世紀にかけてのテキスタイルとサヴィル・ロウのテーラードテクニックを取り入れた。ブランドは本国イギリスのほか、日本や韓国で特に高い人気を誇る。
 
 しかし近年、彼女の関心は専ら地球温暖化に向けられており、その活動はブログ「Climate Revolution」を通じて知ることができる。

 

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