パリコレ:端正なビジネスマン・スタイル&シックでくつろいだスタイルが主流

 19日のパリコレクションでは、厳しい経済情勢を反映してか、かっちりとしたビジネスマン風スーツを提案する欧州ブランドが目立った。一方、アジア・ブランドのコレクションでは、よりくつろいだ雰囲気のシックなスタイルが主流となった。


2012年1月19日、パリで行われたヴィクター&ロルフのショー(


 フランスの「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」とオランダの「Viktor & Rolf(ヴィクター&ロルフ)」はそれぞれ、クラシックなスーツを提案した。ファーやスポーティーなフードをあしらったスタイルや、ロシア帽を合わせたスタイルも登場。

 「ヴィクター&ロルフ」は、暖かなウールやカシミヤのコートやキルティングジャケットに細身の黒いネクタイ、レザーの手袋を合わせ、映画に登場する殺し屋のような潔癖さを漂わせた、完璧なダンディー・スタイルを演出した。

 ランウェイに頻繁に登場したマットなレザーパンツは、足下のワイドな折り返しが個性的。肩幅を強調した身幅の広いジャケットのほか、光沢のあるピンクやブラックのタキシードも見受けられた。

 「ルイ・ヴィトン」のショーでは、ポマードで髪を撫で付けたスーツ姿のモデルが登場。作務衣風のシルクシャツが印象的だった。

 リザードやクロコダイルのレザーブルゾン、ミンクのストール、たっぷりとしたウールコート、ベビーキャメルのセーターのほか、メゾンの代名詞でもある贅沢な素材のバッグも数多く披露された。肘にワックス仕上げのクロコダイルをあしらった、ハンティング用のブルゾンやコートも。着物用のシルクやビロードを使ったイブニングスーツは、美しいブルーのグラデーションが華やかさを演出していた。

贅沢で官能的な、作業着風ワードローブ

 「イッセイミヤケ」は、同メゾンの有名なレディースブランド「プリーツ プリーズ」をメンズ向けにアレンジ。複雑なプリーツが美しいパンツを披露した。

 動きに合わせて柔らかに揺れるプリーツは、20年ほど前から世界中で人気を博す「イッセイミヤケ」ならではのディテールだ。秋冬向けにコットンとポリエステルの厚手生地を使用し、初めてメンズ向けのアイテムを発表した。

 巨大なボールのような照明に照らされた会場にまず登場したのは、爽やかな色合いのスタイリング。プリーツを施したベージュのワイドパンツは、足首が締まったタイプと、クロップトパンツの2種類。鮮やかな色合いの薄手のセーターとスニーカーを合わせ、すぐにでもランウェイを飛び出して街にすんなり溶け込めそうな、くつろいだスタイルに仕上げた。

 サルエル風のパンツ、ボディコンシャスなアウター、自動車整備工のつなぎのようなコンビネゾンも面白い。ロイヤルブルーのハイネック・ジップアップセーターなど、濃厚なブルーのグラデーションを生かし、贅沢で官能的なムードをプラスした作業着風アイテムが目立った。フード付きアノラックのほか、フォーマルなジャケットや個性的なスーツも見受けられた。

 一方、カンボジア系米国人デザイナーの「Phillip Lim(フィリップリム)」は、今回パリで初めてのコレクションを発表。ホワイトと濃厚な色合いを組み合わせたリラックス・スタイルに、テディージャケットや厚底のブーツが1960年代の反逆的なムードをプラスする。

 会場となった古びた倉庫は蛍光灯に照らされ、アジアのナイトマーケットを思わせる雰囲気。パッチワークのセーターや千鳥格子のパンツに、透明のラバーレインコートを合わせたスタイルが印象的だった。スモーキーなアイメイクを施したモデルの陰鬱な表情と、アクセントに黒を効かせたオレンジのテディージャケットとの斬新なコントラストも、観客を惹き付けた。

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