2018/06/05
「マックス マーラ」、2019年クルーズコレクションをアート作品の中で発表
2018/06/05
「マックス マーラ(Max Mara)」は北イタリアのレッジョ・エミリアで2019年クルーズコレクションを発表、洗練されたアティスティックなショーを披露した。
今回のコレクションは、ブランドの創業者アキーレ・マラモッティ(Achille Maramotti)によるコンテンポラリーアートのプライベートコレクション「コレッツィオーネ・マラモッティ(Collezione Maramotti)」をテーマにしたものだ。コレクションが収蔵されているスペースが会場となった。
エクリュ、アイアン、ジュートなど、ルチオ・フォンタナやピエロ・マンゾーニの作品、そしてそれに影響をアルテ・ポーヴェラ(60年代後半のイタリアの美術運動)に特徴的な色づかいは、フルイドなダスターコートやレイヤードのダブルコート、カッティングの美しいパンツスーツなどに取り入れていた。しかし簡素な素材を用いたアルテ・ポーヴェラとは違い、「マックス マーラ」のそれは上質のカシミヤやきめの細かいキャンバス地など全て高級だ。
一族によって50年に渡り収集されてきたコレクションには60年代から80年代にかけての優れた現代美術が揃い、アキーレ・マルモッティの確かな審美眼を証明している。
一連のニットには大胆なグラフィックモチーフがあしらわれているが、これはサイ・トゥオンブリーとヤニス・クネリスの作品への言及だろう。
「ようやくこの場所でランウェイショーを行う時が来たと感じたの。芸術作品にインスピレーションを得ることは珍しくないけれど、このコレクションほどではないでしょう」とブランドのファッションコーディネーターを務めるラウラ・ルスアルディ(Laura Lusuardi)。
アキーレ・マラモッティがブランドを立ち上げたのは1951年のことだが、コンテンポラリーアートをコレクションするという考えには、従業員をインスパイアするという意図もあった。収集した作品は、レッジョ・エミリアにある自社工場内に展示された。そして2007年、同地にあった元工場は、アートコレクションを常設で展示するスペースへと変貌を遂げている。
「マックス マーラ」ブランドは現在に至るまで創業者一家が全て経営を行っており、2016年の年間売上高は14億ユーロ(約1790億7200万円)を記録した。
ヨーロッパでは「シャネル(Chanel)」、「ディオール(Dior)」、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」、「グッチ(Gucci)」と大手メゾンのクルーズショーが行われたが、「マックス マーラ」がそれに続いた形だ。バックにはフェデリコ・フェリーニの映画音楽が流れ、豪華客船が横切るシーンが印象的な『アマルコルド』のテーマで幕を閉じた。
(2018年6月5日現在、1ユーロ=128円で換算)
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