「カルヴェン」、会社清算を免れ中国企業の100%子会社に

 破たんした「カルヴェン(Carven)」が会社清算を免れ、中国でアパレルブランド「アイシクル(Icicle)」を運営する上海之禾時尚実業(集団)(Icicle Group)(以下、アイシクル)に買収されることが決定した。パリ商事裁判所には7社からの提案があったが、「カルヴェン」事業全てを取得すると申し出たのは上海之禾時尚実業のみだった。また、提案価格も数百万ユーロと他社を上回った。

Carven

 アイシクルは今後パリを通じて、「カルヴェン」のブランド、フランス国内の4店舗および従業員全てを取得する。同社が1997年に設立したハイエンドブランド「アイシクル」は、働く女性をターゲットにしたアパレル・雑貨を展開し、「快適」「環境保護」「通勤」といったテーマを掲げ、イタリア・日本製や、メイド・バイ・ジャパンの生地や天然素材を使用したエコで高品質な商品を売りにしている。現在、ブランドは中国国内に約250店舗を展開。2017年の売上高は約16億元(約260億円)だった。
 
 主要株主だったブルーベル(Bluebell)のほか、前オーナーで少数株主でもあったアンリ・セバウン(Henri Sebaoun)も持ち株を全て売却する予定で、「カルヴェン」はアイシクルの100%子会社となる。
 
 「カルヴェン」は先日のパリ ファッションウィークにも不在で、2019年春夏コレクションを発表することもままならない状態だった。事業立て直しに伴い、まずは新しい経営者を置いて組織を再編する必要があるが、人員はアイシクルの現地法人から応援を呼ぶのか、ブランドのポジショニングは当初のままなのか、今後は具体的な施策が明らかになることだろう。以前の「カルヴェン」は、ラグジュアリーより少し下の価格帯で手の届くハイエンドブランドとして位置付けられており、これは中国市場における「アイシクル」と近いポジショニングだ。
 
 アイシクルグループは2013年にフランス・パリ現地法人を設立しており、「ランバン(Lanvin)」や「フォーション(Fauchon)」などラグジュアリー業界での経験が豊富なイザベル・キャプロン(Isabelle Capron)に経営を委ねている。現在パリ現地法人には30人程度の従業員を抱えるほか、2015年には「アイシクル」向けにフランス人デザイナーを起用した「パリ」ラインもスタートした。
 
 「カルヴェン」のデザインに関しては、現在のところまだセルジュ・ルフィユー(Serge Ruffieux)が手掛けており、その進退も今後明らかになるはずだ。さらに、ここ数年閉鎖が相次いでいた店舗なども含め、販売網の拡大も注目される。日本国内初の路面店「Carven 表参道」も、9月17日をもって閉店した。ちなみに、最近の「カルヴェン」の年商は2000万ユーロ(約26億円)程度にとどまっている。
 
 
(2018年10月12日現在、1人民元=16円、1ユーロ=130円で換算)
 

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