"ファッションの楽天"定着目指す シェア拡大に向けた戦略は

 楽天が、2012年度のファッションECにおける流通額を3,567億円と発表した。同社がファッションECにおける流通額を開示するのは初。数年前からファッションECにおいて最大規模のシェアを誇っており、2012年度においては「Zozotown」の流通額の約4倍の額だという。Amazon.jpとの競争激化が注目されるなか、伸びしろのあるファッションECを拡大させ、更なる成長を目指す。


 「もっともっとファッションをやっていく」と強調する楽天にとって、スマートデバイスや物流の充実に加えて、新規ブランドの獲得が今後の課題だ。同社はPB(プライベートブランド)や機能商材など、最もマスなファッションEC市場ではシェアNO.1の地位を確立してきたと自負するが、他社が先行する定価でも売れるブランド商材においては、通常出店と同社運営の楽天スタイルアベニューを合わせて現在900ブランドと、1800以上のブランドを擁する「Zozotown」などに遅れをとっている。これまで地道な改善を積み重ねた楽天だが、ブランド数拡大に弾みをつけるため、2月にはスタイライフのTOBを発表しファッション分野での強化をアピールしている。担当者は「今後は楽天とスタイライフによるブランド獲得チームを発足させ、ブランドに向けてより柔軟な出店形態を提示することで、(ブランドを)獲得をしていきたい」と話しており、TOBによるシナジーを追求するという。また、ハイファッションのEC市場も視野に入れており、2012年には米EC企業のAha Life(アハライフ)に出資。同ショップを楽天モール内にオープンしたほか、国外有力ECサイト「Yoox(ユークス)」を誘致するなど、全張りの戦略で先行者に万全の体制で挑む。

 楽天にとって他社よりもアドバンテージといえるのは、米国で急成長しているSNS「Pinterest(ピンタレスト)」への出資が成功したところだろう。ECと相性が良いSNSのため「ゆくゆくは楽天ファッションと絡めた何かできればと考えている」と話しており、これまでの"サーチショッピング"から"ディスカバリーショッピング"への移行を窺いつつ導入のタイミングを計っていく構えだ。

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