「バーバリー」売れ残り焼却処分問題、ファッション業界全体にも派生か

 数十億円にも上る額の売れ残り在庫を焼却処分していたとして批判を浴びている「バーバリー(Burberry)」だが、ブランドを保護するために同様の手段をとるラグジュアリー企業は少なくない。「バーバリー」は先日発表したアニュアルレポートにて、アパレル、雑貨、フレグランスなど売れ残った商品2860万ポンド(約41億7600万円)相当を焼却処分したと明らかにしている。

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Burberry - Spring-Summer2018 - Womenswear - Londres - © PixelFormula

 昨年処分された商品は3分の1以上が化粧品で、ブランド側によると米コティ(Coty)社との新規ライセンス契約に伴うものであるという。
 
 今回具体的な額が公表されたことにより、SNSユーザーやメディア各紙は一斉に「バーバリー」を批判したが、これは業界全体に共通する処分方法であると専門家は指摘する。
 
 「ファッション業界では広く普及している方法で、ありふれたものだ」と話すのは、Floney and AssociatesのArnaud Cadartポートフォリオマネージャーだ。以前はアナリストとしてラグジュアリー業界を専門にしていた同氏は、高級ブランドが在庫を処分する際には商品を破壊することが一般的だと語る。ファッション業界の商品サイクルは短くなっており、それに伴って破壊処分される在庫商品の数も増加している。Cadart氏は「従業員やエディターに向けてプライベートセールを行えば、それはダンピングになる」とも補足した。
 
 「バーバリー」は今回の騒動を受け、過剰在庫の数を最大限抑制するための対策はすでに講じており、環境に与える影響を深刻に受け止めていると述べた。また、商品の焼却過程で得られるエネルギーは有効利用しているという。「商品を処分せざるを得ない場合は環境に配慮した方法を選択しているし、廃棄物を減らし、なるべく再利用できる道を模索している」とブランド側。
 
 一般的に、決算資料に商品の破壊処分に関する説明が含まれていても、「非常に理解しづらい書き方がされており、さらに大抵の場合『棚卸資産の減損』という項目に纏められている」とCadart氏は説明する。
 
 例えば、LVMHグループの最新アニュアルレポートでは、「棚卸資産の減損は(中略)一般的に商品の陳腐化(シーズン落ち、プロモート期間が過ぎたなど)や販売の見通しが立たないことが理由で必要となる」との説明がある。エルメス(Hermès)社のものにも同様に、やはり「陳腐化(特にシーズン落ち)」した商品への言及があった。しかし、破壊処分された商品の額に関しては明確に述べられていない。
 
 また、一般のイメージに関しても、「良い影響を与えることがないのは明白だ」とCadart氏。「"エコ"でないのはもちろんのこと、世界には服も買えないような境遇の人々が存在することを思えば、社会的に意識が高いとは言えない」。
 
 しかし、FTPAで知財権を専門に扱うBoriana Guimberteau氏はこうも述べている。「確かに、モラルや倫理、環境といった問題として捉えればそうなる。しかし、法律的な立場から言えば、ブランドが自社の所有する商品を、シーズンが終わったからという理由で破壊することには何の問題もない。したいようにする権利がある」。
 
 知財権の普及、啓発団体ユニオン・デ・ファブリカン(Union des Fabricants)(以下、Unifab)によれば、商品の破壊処分には様々な理由があるという。商品が他の流通経路に乗らないよう管理したいという場合もあれば、香水や化粧品といった販売期限がある商品に関しては、消費者の安全に配慮した結果が破壊処分ということになる。
 
 他にも、「商標権を保護するために」在庫を破壊する企業もある。UnifabのDelphine Sarfati-Sobreira氏は、今回の魔女狩りめいた「バーバリー」批判に遺憾の意を表明している。「商品を破壊処分する企業は、その分また別の商品を生産している。それによって仕事を得る従業員もいるはずだ」と同氏。
 

(2018年7月23日現在、1英ポンド=146円で換算)
 
 

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