2017/05/30
「グッチ」、フィレンツェで "いばら"のクルーズコレクション披露
2017/05/30
アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)による「グッチ(Gucci)」の18年クルーズコレクションへの招待状には、「Urtica Ferox」、イラクサを意味するラテン語が記されていた。
イタリア・フィレンツェにあるピッティ宮内部、ガレリア・パラティーナ(王宮美術館)を会場に、ティツィアーノ、ボッティチェリ、カラヴァッジョ、ティントレットといった名画に囲まれてランウェイショーが披露された。イヴニングショーに不似合いなサングラス、ピンクのガウンにイエローのスキーパンツ、足元にはシルバーに輝くボクシングブーツを合わせて、ルネサンス期の巨匠も驚くようなルックが登場。
ウィメンズには、ファーカラーのチェスター、レトロなカーティガンに、ゴールドとブルーのラグビーセーター、オーガンジーのトランスパレントなガウン、シルバーのジョッパーズといったアイテムが。また、大ぶりなボウやハンドバッグを首周りにあしらう奇抜な着こなしに、お約束のヘビのモチーフも見られた。
メンズでは、テニスセーター、ピンクシルクのジャケットに、リバーシブルベースボールジャケットやホワイトのテニスショーツなど。髪にはゴールドのメタルリーフをあしらい、首元にはゴールドのネックレスが。
就任後わずか27ヵ月にして、アレッサンドロ・ミケーレは大きな成功を収め、「グッチ」を世界でも有数の成長を誇るブランドへと押し上げた。独特のロマンティックな世界観と美しいビジョンを持つミケーレだが、いつも同じことの繰り返しのようにも感じられる。デビュー当時から、彼は業界関係者や批評家よりも、むしろブロガーから高い評価を受けてきた。その理由の一つに、インスタグラムの普及が挙げられるかもしれない。フィレンツェの一室にピンクのピオニーを飾り、新しいサングラスに自分の名前をあしらったキャップを添えた写真が、今日では際限なく投稿され続けている。影響を与えるはずのインフルエンサーが、"インフルーエンス(影響)"されないでいることは、果たしてできるのだろうか?
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