2018/08/03
「バレンシアガ」をNYの土産物メーカーが提訴
2018/08/03
「バレンシアガ(Balenciaga)」にデザインを盗用されたとして、ニューヨークの土産物メーカーCity Merchandiseが著作権侵害の訴訟を起こしている。
問題となったのは、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)手掛ける「バレンシアガ」が2018年リゾートコレクションで発売したバッグや財布といった商品だ。ピンクを基調としたニューヨークの風景に、「New York City」の文字があしらわれている。
先週ニューヨーク南部地区連邦地裁に提出されたCity Merchandise社の訴えによれば、「バレンシアガ」は同社の「オリジナルデザイン」を無断で使用したという。2018年2月、原告は被告が「著作権を侵害した商品を生産、宣伝し、マーケティングを行って販売している」ことを知った。そしてそのデザインが「(原告の)『NYC Skyline Souvenirs』商品と非常によく似通っており、ほとんど区別がつかないほど」だと主張している。該当のデザインがCity Merchandise社によって米国著作権庁に登録されたのは今年の2月だが、著作権自体はデザインが制作された2015年から発生していることになる。
また、原告側は「バレンシアガ」およびクリエイティブディレクターのデムナ・ヴァザリアが故意にデザインを盗用したという根拠として、複数のメディアにおけるヴァザリアのインタビューを引用。他にもイケア(Ikea)のショッピングバッグやラフ・ライダーズ(Ruff Ryders)によるロゴの例を持ち出し、被告に「他社の作品をコピーする意思」があることを強調した。
こうした「意図的な」著作権侵害に対し、City Merchandise社は、「バレンシアガ」による損害賠償だけでなく、該当商品の販売を直ちに停止させるための差止請求権も主張している。
さらに、今回注目されたのが、オンラインメディア「Fashionista」の編集長Alyssa Vingan Kleinによるツイートだ。画像を添えて「左:JFK空港で見つけたNYCの土産物トートバッグ。右:そのバレンシアガ版。値段は1950ドル」と記した彼女の投稿は訴訟のきっかけになり、実際に裁判所へ提出された告発状にも掲載された。
デムナ・ヴァザリアは、自身のブランド「ヴェトモン(Vetements)」のショーでも「appropriation(流用、盗用)」について言及し、「全てはコピーされるためにある」と語っていた。本人もパロディブランド「Vetememes」を公認するなど、デザインの"模倣"に対して独自の視点を持っているようだ。
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