2017/10/20
「ヴェルサーチ」にキム・ジョーンズが就任か?
2017/10/20
「ヴェルサーチ(Versace)」の新アーティスティックディレクターを巡る噂は絶えないが、正式な発表は未だになされていない。「ジバンシィ(Givenchy)」を2月に退任したリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)をはじめ、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)、ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)など様々な名前がネット上で挙がっては消えたが、今度はキム・ジョーンズ(Kim Jones)が就任する可能性が指摘されている。情報筋が当紙に明かしたところによると、今回の噂は他のものより信憑性がありそうだ。
2011年から「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」でメンズウェアのデザインを担当するキム・ジョーンズは、フォーマルな洗練を加えつつブランドに新しいファッション性をもたらした。現在までウィメンズウェアを手掛けたことは一度もないが、学校を卒業してからの2000年代初頭には経験を積んでいるはずだ。
当氏の取材に対し、「ヴェルサーチ」側はあくまでも「噂である」との姿勢を示している。兄のジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)が亡くなって以来20年に渡ってチーフデザイナーを務めるドナテラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)だが、関係者筋の情報によると、新しいアーティスティックディレクターを迎える準備は整っているという。
一方「ルイ・ヴィトン」のメンズウェアアトリエ内では、この動きはより顕著だ。キム・ジョーンズに近い筋は、ジョーンズにはミラノに移る意向があり、しかしそのためには昨年更新した契約を中断しなければなならないと話した。
「ルイ・ヴィトン」の広報は、「特にコメントはない。憶測だ。キム・ジョーンズとは現在契約中の状態にある」としており、ウィメンズのニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)に関しても過去に多くの噂が飛び交ったことを指摘。「でも、彼は続投しているでしょう!」。
キム・ジョーンズは1979年にロンドンに生まれた。セントラル・セント・マーチンズで学び、メンズウェアのマスターを取得している。卒業制作のコレクションを一部ジョン・ガリアーノ(John Galliano)が購入したことで、プレスや業界から注目を浴びた。2003年には自身のメンズウェアブランドでロンドン ファッションウィークにも参加したが、数年後に休止。
「アンブロ(Umbro)」、「ヒューゴ・ボス(Hugo Boss)」、「トップマン(Topman)」、「アイスバーグ(Iceberg)」など様々なブランドと仕事をし、何度もブリティッシュ・ファッションアワードを受賞している。2008年に「ダンヒル(Dunhill)」のアーティスティックディレクターに就任し、その後2011年に「ルイ・ヴィトン」に抜擢された。
ヴェルサーチ社は、創業者一家が株式80%を、残りの20%をアメリカの投資会社ブラックストーン(Blackstone)が保有している。昨年、ジョナサン・アクロイド(Jonathan Akeroyd)がCEOに就いた。2016年通期業績は、純損失が740万ユーロ(約9億8500万円)、売上高は3.7%増の6億6870万ユーロ(約889億8500万円)だった。
(2017年10月19日現在、1ユーロ=133円で換算)
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