NYファッションウィーク、「トム・フォード」で開幕

 ニューヨークファッションウィークのトップバッターとしてショーを披露した「トム・フォード(Tom Ford)」の18年春夏シーズンは、非常にセンシュアルでありながら商業的にも上手く作られたコレクションで、アメリカへのカムバックには理想的な形のものだった。

Tom Ford - Spring-Summer2018 - Womenswear - New York - © PixelFormula

 ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)やケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)といった旬のモデルがランウェイに姿を見せただけでなく、フロントロウにもセレブリティが溢れていた。ジュリアン・ムーアは、「ニューヨークに帰って来てくれてうれしいわ!」と祝福する。
 
 コレクションのキーとなるのはタキシードジャケットで、「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」時代のアイディアを発展させていた。サテンラペルのパワーショルダージャケットをスポーティーなバーパンツに合わせるなど、新しい提案も見られたほか、多くのルックに登場した素晴らしいカッティングのパンツも目を引く。マタドール風シルエットのジーンズや、ゆったりしたジョッパーズはダブルジャケットにスタイリング。
 
 80年代風のパワーショルダージャケットにフレアパンツ、そしてセンセーショナルなレザートレンチなど、全体としてパワフルでクラシックなフォード流のショーに仕上がっていた。また、マニッシュなディナージャケットに合わせたスポーティーなブラなど、アスレジャーの要素も取り入れた。
 
 イヴニングウェアはよりフォーマルながら、十分に "売れそう"なものが揃う。フォードがアメリカで築いたのは、ファッション帝国ともに相応しいものだ。少し例を挙げてみると、今年200万本のサングラスを販売すると仮定すれば、一本あたりの価格が最低でも250ドル(約 円)であるから、それだけで5億ドル(約 円)近い売上となる。しかも、「トム・フォード」のアイウェアは未だ世界で7000店程度でしか取扱いがなく、彼の古巣の「グッチ(Gucci)」などはその4倍もの小売店網を抱えているのだから、これから先大きな伸びしろがあることが窺えるだろう。
 
 「なぜニューヨークにいるかって?一貫した姿勢を見せたかったんだ。だから、暫くはここでショーをするよ。帰って来るのは気分が良いものだね」とフォードは笑う。
 
 アフターパーティーには招待客の約半数が参加した。ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)がDJを務め、半裸にショートパンツだけを纏ったウェイターが行き来する。まるで彼の「グッチ」時代の輝きを目の当たりにしているような盛り上がりだ。
 
 シンディ・クロフォード(Cindy Crawford)とランド・ガーバー(Rande Gerber)夫妻がいると思えば、元プロバスケットボール選手マジック・ジョンソンの息子EJ・ジョンソン(EJ Johnson)が、黒いレザーパテントドレスとハイヒール姿でバーのスタッフと写真を撮っている。これぞニューヨークだ。


■ Tom Ford SS18 全ルック

 

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