NY ファッションウィーク:「ボッテガ・ヴェネタ」、旗艦店オープン記念のメガランウェイショー開催

 マディソン街に巨大旗艦店をオープンさせたばかりの「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」が、ニューヨーク証券取引所で大規模なランウェイショーを開催した。

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Bottega Veneta - Fall-Winter2018 - Womenswear - New York - © PixelFormula

 ブランドのインテリアコレクションでできたアパート風の会場に、フィナーレを飾ったジジ・ハディッド(Gigi Hadid)。木曜日のニューヨークタイムズ紙に6ページにも及ぶ広告を掲載するなど、ファッションウィーク中にキャンペーンも攻勢をかけた。しかし、こうした一大プロモーションには困惑する向きもある。
 
 「ブランドが展開する全ての商品が一堂に会したのは初めてのことだ」とクラウス=ディートリッヒ・ラース(Claus-Dietrich Lahrs)CEO。マディソン街740番地にオープンした5階建ての店舗の賃料は、マンハッタンの不動産業者によると年間800万ドル(約8億6900まん円)相当に上るという。
 
 クリエイティブディレクターのトーマス・マイヤー(Tomas Maier)がデザインした内装は、以前よりも明るい色使いで、大きなガラス製のらせん階段とフォーシーズンズホテルのプールルームから着想を得たというブロンズのボールチェーンカーテンが印象的だ。
 
 「大きな催しを行うことは無駄ではないはずだ。ロデオドライブでも、マイアミでも同じことをしてきた。北米市場のターゲットは、現地の消費へと移行してきている。観光に頼らなくても良いんだ。すべてローカルなビジネスだからね。もちろん、観光客も重要ではあるけれど」とCEO。「ボッテガ・ヴェネタ」が失速し始めた2016年9月に就任した。2016年の売上高は9%減の11億7300万ユーロ(約1559億6600万円)だった。
 
 しかし、ラースCEOは楽観的だ。最上階に設けたレジデンシャルアパートメントが拡大を後押しすると見ている。インテリアコレクションの売上構成比は、現在のところ2%にも満たない。
 
 「BtoBが主要になるだろう。そのうち、建築家がすべてを『ボッテガ・ヴェネタ』で揃えようと考える。でもそのためには、ネットワークはもちろん、商品が全て見られるような場所も必要だ。ここのようにね」。
 
 しかし、他の業界人から聞こえてくるのは賛成の声ばかりではない。エクサンBNPパリバのラグジュアリー専門アナリスト、ルカ・ソルカ(Luca Solca)氏は、こう分析する。「これが新しい収入源になるには、運が必要だ。個人的には、微々たるものに過ぎないだろうと考えている。こうしたインテリアプロジェクトには多大な在庫と空間が必要になるし、坪効率は比較的低い。現在のところあまり大きな変化は見られないようだ。『ボッテガ・ヴェネタ』に必要なのは、新しいバッグをヒットさせることだろう!」。
 
 マディソン街の新店舗は非常に洗練されているが、やや執拗に過ぎる感もある。メゾンのシグネチャーである"イントレチャート"が至る所に用いられているが、それこそデスク、キャンドル、ハンドバッグ、トート、iPhoneケースなど、全ての商品がそうなのだ。
 
 「『ボッテガ・ヴェネタ』がイントレチャートを守っていくのは非常に良いことだ。しかし、既視感があり過ぎる。今日の市場では新しさが求められており、それが彼らの問題となっている。どうすれば良いのか?多くのブランドは、クリエイティブディレクターを変えることで目標に近づこうとしている」とソルカ氏。
 
 長いランウェイショーでは、ジオメトリックパターンのドレスやインターシャのローブ、マンハッタンスカイラインをフィーチャーしたジャケット、そしてイントレチャートのバッグといったアイテムを打ち出したトーマス・マイヤー(Tomas Maier)。
 
 ショーの後にはネグローニが振舞われ、ジオ・ポンティ(Gio Ponti)のアームチェアやジョン・チェンバレン(John Chamberlain)の彫刻などがゲストを喜ばせたが、「ボッテガ・ヴェネタ」の商品自体はどれも非常にありふれたものに思われた。「アルマーニ・カーサ(Armani Casa)」にロイヤルティを払うべきだ、と類似性を指摘するコメントも耳に届く。
 
 ニューヨークタイムズ紙の一大広告以外にも「ボッテガ・ヴェネタ」はSNSで積極的に情報を発信しており、最近ではファビアン・バロン(Fabien Baron)が監修したムービーも公開した。
 
 「ウェブキャンペーンが梃入れのカギとなる。実際に商品を変える必要はない。ただ発信しなければならないだけだ。今までは何もしてこなかった!沈黙を守り、もしブランドが気に入ったならそちらから来てくれ、というスタンスだった。しかし今、我々は自分から働きかけ、ストーリ-や価値観を伝えるべきなんだ」とラースCEOは語る。「もしかすると、(ブランドのモットーである)『自分のイニシャルだけで十分(When your own initials are enough)』だけではもはや十分ではないのかもしれない」とも零した。インスタグラムの時代、自分のイニシャルだけで十分んと考える消費者は少数だろう。
 

(2018年2月12日現在、1米ドル=109円、1ユーロ=133円で換算)
 
 

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