2016/11/25
NYブランド「Noah」、ジャケットが高額な理由は? 生産コストを細かく解説
2016/11/25
新進NYブランド「ノア(Noah)」を立ち上げた元「シュプリーム(Supreme)」デザイナーのブランドン・バベンジン(Brendon Babenzien)が、商品が高額になる理由を公式ブログで解説した。ブランドの代表的アイテムであるレインパーカを例に挙げ、『The Anatomy of a Jacket(ジャケットの解剖学)』と題した投稿で、生産過程やそれに伴うコストなどを細かく公開している。
ドーバーストリートマーケット ロンドンで出会った若いファンに、どうして「ノア」のパーカは他の類似商品より高いのか、と質問されたことがきっかけだという。
「我々が使用する素材は、きちんと環境対策の法律が整った国の、高品質なテキスタイルを生産している業者から購入したものだ」とバベンジン。
「となると、必然的にコストが高くなる。その一方で、環境に与える影響は他より小さい。消費者がそういった点を重視しているとしたら、やはり大きな価値のあることだと思う。今のところはそうでないとしても、皆が意識しだすのは時間の問題だ」と続ける。
サステナブル(持続可能)な生産方法のみを用いた高品質の素材にこだわる「ノア」は、縫製工場も厳選している。イタリアにある家族経営の工場では太陽光発電を採用しており、従業員には安定した賃金と十分な休憩時間を保証、休暇日数に関してはアメリカの平均よりも良い待遇だという。
「これだけは断言できるが、安く生産されたものを買うたび、誰かが浮いたコスト分を払っている。安く買い物ができるのは、他の誰かが損をしているからだ。非人間的な環境で働いている人がいることもある」。
バベンジンは、生産過程一つ一つに掛かる費用を細かく説明している。小売価格448ドルのパーカ1着の原価は、226.47ドルだ。コットン、メッシュ、ナイロンは日本から買い付けており、素材に掛かるのは39.23ドル。それをイタリアに輸送する費用が26.12ドル、同国では購入する副資材と縫製過程に140.57ドルを費やす。また、出来上がった製品をアメリカに運ぶ段階で、再び輸送コストが20.55ドル掛かる。
こうした生産コストを差し引くと粗利益が221.52ドルとなる計算だが、やはりまだ高いと感じるかもしれない、との注釈も。しかしこれに対しては、店舗の賃料や従業員の賃金、各種保険、サイト運営費、ショッパーや値札、サンプル、フォトシューティングなど、他の様々な要素が挙げられている。
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