Nextatlas、ウェブを使ったトレンド分析のパイオニアに

by

Dominique Muret

掲載日
2015/05/22

　専門家は世界中のトレンドに日夜目を光らせているが、インターネットの時代である今日、ルカ・モレナ、アレッシモ・モレナの兄弟は、ウェブ上で直接トレンドスタディーを行うことのできるシステムを作り上げた。こうして設立されたNextatlas社は、オンライントレンド分析のパイオニアだ。

　2010年にはIcoolhuntというアプリケーションをスタート、写真を共有して新たなトレンドが見つかるシステムを提案したモレナ兄弟。このたび考案したNextatlasでは、ツイッター、インスタグラム、タンブラーなどのソーシャルメディアから流れ込むイメージが集まり、各ブランドが簡単にトレンドの芽を可視化することができる。

　「ここ数年で大きな変化が起きている。現実がウェブに反映されるようになった。そこで、ネット上に集積したこの巨大な情報の群れを、定期的に観測して役立てる方法は無いか、と考えついたのがこのシステムだ。あらゆる事象に何かしら共通するものがあり、それを集めることで、ファッショントレンドだけでなく、あらゆる分野でリアルタイム起こりつつあるムーブメントを目視することができるようになる」―― ルカ・モレナはこう説明する。

　集まったイメージや類似タグを通して、独自の分析フィルタにより視覚コンテンツが篩にかけられる。そうして、このトレンドをエディターチームが解釈する、という仕組みだ。

　「シーズン、といった概念はもはや存在しない。絶えずリアルタイムの情報が届き、必要に応じて位置情報が取得される。こうしてクライアントは、トレンドすべてに関して総括的なヴィジョンを手にすると共に、分布なども知ることができる」

　本社はプーラ、実働オフィスはトリノとイタリアに拠点を置くNextatlas社には、10人程度のスタッフが勤務している。既に出資する大手企業が出てきており、クライアントとしては、プラダ、e-Pitti、ロレアル、更にフィアット、マセラティ、保険会社のアリアンツなど、15社が現在利用している。

　膨大なデータは緻密に整理、分析されており、ダッシュボードはパーソナライズできる。Nextatlasのサービスの使い方は様々で、例えばアパレルブランドなら、コーディネートやコレクションのインスピレーションを得ることも可能だ。
　
　また、製品開発や、広告キャンペーンなどマーケティング方面でも、分野を問わず幅広い使い道がありそうだ。