アディダス、16年の純利益は10億ユーロ突破

　アディダス（Adidas）が発表した16年通期業績は、純利益が大幅に増加し、59.3%増の10億2000万ユーロ（約1233億7200万円）を記録した。17年に関しても更なる成長を見込むという。

 　16年の売上高は14％増の193億ユーロ（約2兆3300億円）。「不利な為替変動による逆風にもかかわらず」の結果だとも説明されている。為替の影響を除くと18％の増収となる。また、営業利益は41％増の15億ユーロ（約1814億2900万円）で、ファクトセットのアナリスト予想および同社の達成目標を上回る数字となった。
 
　「2016年はアディダスにとって素晴らしい一年だった。（中略）方針を改善し、我が社の歴史上初となる純利益10億ユーロ超えを達成し、記録的な業績となった」とカスパー・ローステッド（Kasper Rosted）CEO。

　特に利益率は大きく向上し、粗利益率は48.3%から48.6%へ、営業利益率は6.3%から7.7%へと伸びた。
 
　事業別に見ると、「アディダス」ブランドが17％以上の増収（為替の影響を除くと21.7%増）となり、163億3000万ユーロ（約1兆9800億円）とけん引、「リーボック（Reebok）」も1.1%増（為替影響除き5.7％増）の17億7000万ユーロ（約2140億8700万円）と成長している。05年の買収以来、アディダスグループは「リーボック」の再編に頭を悩ませてきた。しかし一方で、苦戦するゴルフブランド「テーラーメイド（TaylorMade）は引き続き1.1%の減収（為替影響除き0.8%減）となり、8億9200万ユーロ（約1078億9000万円）。そしてホッケーの「CCM」も14.3％減（為替影響除き13.3％減）で2億7100万ユーロ（約327億円）にとどまった。
 
　為替が不利に作用したにもかかわらず、ほぼ全ての市場で2ケタ台の成長があったというが、対日本円に限っては有利に推移したという。日本市場での売上高は10億ユーロ（約1208億5200万円）を超え、29.8％（ユーロ換算以前は16.3%増）の伸びを見せた。主要な市場である西欧の売上高は16.6%増の52億9000万ユーロ（約6393億600万円）、次いで北米が23.9%増の34億1200万ユーロ（約4123億4700万円）、そしてグレーターチャイナは30億ユーロ（約3625億5600万円）以上を記録し、21.9%の増収となった。
 
　17年通期業績に関しては、為替の影響を除いて11～13％の増収、そして16年7.7％だった営業利益率に関しては8.3～8.5%を見込むという。純利益に関しては、18～20％増、12億ユーロ（約1450億2200万円）を上回る数字を予想している。
 

（2017年3月8日現在、1ユーロ＝121円で換算）
 
 
（Olivier Guyot with AFP）