エルメス、16年上半期は純利益13％増

　エルメス（Hermès）グループが発表した16年上半期決算は、純利益が13％増と予想を上回り、「歴史的な」収益性を記録した。通期の増収見通しは据え置く。

　通期に関しては、「昨年は不利だった為替が好転したことで、営業利益率は15年を僅かに上回るだろう」と見ている。
 
　7月末に発表した上半期の売上高は、恒常為替レート換算で前年同期比7％増の24億4000万ユーロ（約2814億円）だった。

　純利益は5億4540万ユーロ（約629億円）で、ファクトセットのアナリスト予想5億3400万ユーロ（約615億8500万円）を上回る結果となった。
 
　「昨年不利だった為替が当期は好転し、営業利益も増収率を上回る勢いの11％増、8億2700万ユーロ（約953億7600万円）を記録した」とアクセル・デュマ（Axel Dumas）CEO。
 
　それに伴って、営業利益率も売上の33.9%と前年同期比で1.4ポイント増となり、収益性は「歴史的に高い値を記録した」という。
 
　「しかし、通期にまでこのレベルの数字を期待することはできない。上半期は為替の恩恵を受けたが、下半期に関しては不透明だ」とも明かした。
 
　16年通期の恒常為替レート換算での増収率に関しては「経済、政治、通貨といった要素が世界的に不安定であり、中期目標である8％の増収には届かない」とする見通しを据え置いた。
 
 
（2016年9月14日現在、1ユーロ＝115円で換算）