2017/03/06
パリ ファッションウィーク:「バレンシアガ」、アーカイブと車のサイドミラ―の出会い
2017/03/06
「バレンシアガ(Balenciaga)」がパリで発表した17年秋冬コレクションは、400人程度の観客を招き、広大な展覧会スペースを会場に披露された。
デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)は、過剰なボリュームとマスマーケット的なイメージ、ワークウェアの要素などを組み合わせ、現代のファッションに一石を投じてみせたデザイナーだ。
今回の「バレンシアガ」では、彼はさらに一歩進んだビジョンを見せてくれた。過去のランウェイで採用したアマチュアモデル達は影を潜め、今回はプロのモデルがキャットウォークに登場。会場の外では、奇しくも有色人種のモデルをもっと起用すべきだという小さなデモも行われていたが、「バレンシアガ」のショーにはアフリカ系モデルを代表するアレック・ウェック(Alec Wek)が姿を見せた。出演したモデル一人ひとりに花束が贈られるという場面も。
創業者であるクリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balenciaga)が制作した一連のルックブックを用いたコレクションでは、チェックコート、ベロアのアニマルプリントケープに、わざとボタンを掛け違えたマニッシュなトップスコートなどを提案。小物使いも秀逸で、沢山の鍵をぶら提げたブレスレットをはじめ、車のサイドミラーを象ったバッグも目を引いた。
「パリではすごく重要なものだよ。皆車のミラーを失くしてしまうから、こんなにヴェスパが走っているんだ。そういうユーモアを盛り込みたかった」とヴァザリア。
ここ数年でも、「バレンシアガ」のヴァザリアほど、デザイナーのスキルがぴったりとメゾンにマッチした例はないだろう。
この夏ニューヨークのマディソン街に旗艦店をオープンする予定の「バレンシアガ」。パリのフォーブル・サントノレ店もクロームとガラスを用いたデザインでリニューアルオープンを果たし、毎月約30%の成長を記録しているという。
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