Reuters
2016/04/07
ファストリ、「ユニクロ」不振で大幅下方修正 2-9月期は減益
Reuters
2016/04/07
ファーストリテイリングは4月7日、2016年8月期の連結業績予想を下方修正した。同時に発表された2-9月期決算は、冬物の値引き強化による国内「ユニクロ」事業の不振などが要因で、大幅な減益となっている。
デフレの時代、安価に手に入るカジュアル衣料品を売り出したことで成功を収めた同社。だが、2014年には、アベノミクスによる株価とインフレ予想の上昇を受け、値上げを決行した。
しかし、停滞する経済成長と低迷する賃金に消費者心理は再び冷え込み、結果として、15年の相次ぐセールや、今年1月から2月にかけて値下げ強化を余儀なくされることとなった。
16年8月期の連結業績予想は、売上高は前年比7%増の1兆8000億円と据え置く一方で、営業利益は27%減の1200億円と、前回予想の1800億円から大きく引き下げた。
昨年10-12月には、輸出と消費の低下を受け、日本の国内総生産(GDP)はマイナスを記録しているが、アナリストの中には、今年の1-3月も同様の結果になると考える向きもある。
昨年値上げした小売・飲食チェーン店も再び値引きを始めており、日銀の金融政策にも陰りが見えるのも事実だ。
ファーストリテイリングは、「世界No.1のアパレル製造小売業を目指す」希望を捨ててはおらず、今後数年間で、米国に「ユニクロ」を100店舗近く出店する予定だとしている。
しかし、世界第一のアパレル市場を誇る米国で、「ギャップ(Gap)」や「H&M」、「ザラ(Zara)」といったブランドを相手に「ユニクロ」は苦戦を強いられてきた。2-9月期の米国「ユニクロ」事業に関しては、4店舗の店舗閉店に伴う損失も計上したという。
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