2010年世界リテール会談でスピーチを行ったバーバリーのCEO、アンジェラ・アラン

小売業者はビジネスチャンス拡大の可能性を探るうちに、アメリカと西ヨーロッパで売り上げはこれ以上伸びず、ブリック諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の他に成長の可能性のある国々について調査を始めている。

世界リテール会談で経済学者や各企業のCEOは強い経済成長と中産階級の上昇を見せる、コロンビア、エジプト、インドネシア、メキシコ、南アフリカ、トルコ、ベトナムなどに注目していると口々に語った。

｢このような以前までは貧しかった国々には共通点があります。それは世界の大手小売業者達の注目の的になっているという点です。｣デロイト・アンド・プラネットリーテールの顧問は会談中のレポート発表でこう語った。

既にターゲットを定めたリテールグループもある。

世界第一位の小売業者アメリカのウォルマートグループは先月南アフリカのスーパーマーケットチェーン店マスマーケットをアフリカのサハラ砂漠下の地域に事業を展開する足がかりとして40億円で買収する話を進めていると話した。

デロイト社グローバル・リサーチ部のディレクター、イラ・カリシュはアメリカとヨーロッパのリテール業者達はキャッシュはあるものの自国の成長が芳しくないため、他国での取引が業界内で盛んになったと話している。

｢小売業界内では多くの国境を越えた取引がこれからも見られるだろうと思います。｣

Ｍ＆Ａに関しては成功例と失敗例が顕著だったリテール業界内では自社店をオープンしたり、ローカル企業と共同で事業を進めることを好むグループもいる。

ヨーロッパ最大の日曜大工用品リテーラーキングフィッシャーはポーランドやトルコなどの既に出店している市場内の店舗を買うことに興味を示しており、ロングタームでは東ヨーロッパや中東でフランチャイジングをすることも考えているという。

リスク削減

業界内のベテランで今までに中央ヨーロッパや東欧への企業の事業展開をサポートした経験を持つマーク・オルブリッチは一社のみで進出することやローカル企業と協賛することはどちらもリスクがあることだと語っている。