2017/04/04
マッシモ・ジョルジェッティ、「プッチ」との契約更新せず? またもデザイナー交代か
2017/04/04
「エミリオ・プッチ(Emilio Pucci)」のクリエイティブディレクターが、またも交代する可能性が浮上している。関係者筋の情報によると、現デザイナーのマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)は「プッチ」との契約を更新せず、ブランドが後任探しを始めているという。
2000年にLVMHが「エミリオ・プッチ」を買収し、アントニオ・べラルディ(Antonio Berardi)をクリエイティブディレクターに起用した。その後も、ジュリオ・エスパーダ(Julio Espada)、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)、マシュー・ウィリアムソン(Matthew Williamson)、ピーター・デュンダス (Peter Dundas)、そしてジョルジェッティ、とデザイナーの交代が相次いでいる。一番長かったのはデュンダスで、15年春夏から5年間務めた。
ジョルジェッティ側の広報は、2018年「エミリオ・プッチ」との3年間の契約が2018年4月で終了するとしている。
しかし、同時にジョルジェッティが「プッチ」に不満を抱いていることはないとも念を押した。「マッシモは『プッチ』での仕事に非常に満足している。もし問題があるとすれば、週3回『プッチ』で仕事をする傍らで、拡大しつつある自身のブランド『MSGM』のビジネスを手掛ける、といった部分のバランスではないか」と広報。しかし、昨年「プッチ」の本社がフィレンツェから「MSGM」と同じミラノへ移ったことで、交通面では遥か楽になったとも話す。LVMHが現在後任者候補の面接を行っているのではないか、との質問には、「LVMHは常に才能ある人材を探している。傘下には多くのブランドがあるし、『プッチ』に関しては何も知らない」と答えた。
一方で、関係者筋によると、創業者の娘でメゾンの会長を務めるラウドミア・プッチ(Laudomia Pucci)がジョルジェッティにあまり満足していなかったという話もある。彼のデザインが、「プッチ」の高級感にそぐわない庶民的なものだと考えていたようだ。
イタリアのリミニに生まれたマッシモ・ジョルジェッティは、2009年に自身のブランド「MSGM」を設立。鮮やかなプリント使いで瞬く間にカルト的な人気を収め、現在では世界中600店舗で販売されている。年間売上高は4500万ユーロ(約52億9800万円)と見られており、「プッチ」の16年推定売上高が4700万ユーロ(約55億3400万円)であることを鑑みれば、ちょうど同規模のビジネスであると言えるだろう。しかし、「MSGM」が成長を続けているのに比べ、「プッチ」は横ばい傾向にあり、今年度は逆転することも考えられる。
昨年夏には、フィレンツェ近郊にあるプッチ一族の土地、ヴィラ・グラナイオーロで開催された展覧会「プッチ・エレメンツ(Pucci Elements)」の監修も出がけたジョルジェッティ。同展では、創業者と後継者全員のデザインが展示された。
現在のところ、「エミリオ・プッチ」側はこの件についてコメントを発表していない。
マッシモ・ジョルジェッティは、次回6月にミラノ メンズファッションウィークにてランウェイショーを披露する。
(2017年4月4日現在、1ユーロ=118円)
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