2012/10/24
ユニクロが米国でオンラインショップ立ち上げ、米国事業拡大を加速
2012/10/24
ファーストリテイリング傘下の「ユニクロ」は今週、米国でオンラインショップを立ち上げる。「H&M(エイチ&エム)」、「Zara(ザラ)」、「Gap(ギャップ)」といった競合ブランドに対抗し、米国事業の拡大を加速する意向だ。「ユニクロ」は2006年に米国1号店をオープンしたが、最近開店したサンフランシスコ店とニュージャージー店を加えても、米国内の現在の店舗数は5店舗にとどまっている。
「ユニクロ」は今後、米国事業の展開を加速し、年間20〜30店舗のオープンを目指すという。ファーストリテイリングUSAの小竹 伸CEOはロイターとのインタビューで、「このタイミングでECサイトを立ち上げることは、米国での新規顧客獲得につながる」と述べている。
ファーストリテイリングは、国内事業の減速を受け、米国や中国といった新規市場の拡大を目指す。オンラインショップは「Zara」や「H&M」、「Gap」といったライバルブランドに対抗し、2020年までに世界屈指のアパレル小売業者としての地位を確立するために欠かせない事業だという。
米国で250店舗を展開するスウェーデンの「H&M」は当初、2012年秋にオンラインショップのオープンを予定していたが、2013年半ばに延期。ECサイト立ち上げでは「ユニクロ」が先行するかたちとなった。一方、約50店舗を展開するスペインの「Zara」は、2011年9月にオンラインショップをローンチ。「Gap」は1997年よりオンラインショップを展開している。
「ユニクロ」は既に日本、英国、中国でECサイトを展開しており、米国向けサイトも同様のスタイルになるという。このオンラインショップを通して、若者やネットユーザーの獲得を目指す意向だ。
オンラインショップの運営には商品管理面で実店舗以上のコストがかかるという。リテール専門調査会社RSR(Retail Systems Research)のアナリスト、Paula Rosenblum(ポーラ・ローゼンブラム)氏は、「すべての商品の写真が必要となる上、ズーム機能や360度ビューなども必要となってくる」「年に8回から9回の商品入れ替えを行うリテールチェーンにとっては、コストの高い投資といえる」と説明。「H&M」をはじめとする多くの小売チェーンがECサイトの立ち上げを先送りしてきたのは、こういった理由からだと言う。また、実店舗の商品の一部やオンラインショップ限定商品のみを展開するECサイトも多い。
しかし今回オープンする米国ユニクロのウェブサイトでは、実店舗で取り扱うすべての商品に加え、メンズのウルトラライトダウンやレディースのコーデュロイレギンスなどの一部アイテムで特別サイズ商品も販売する。小竹CEOは、「ECサイトと実店舗で同じショッピング体験ができるようにする」と話している。
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