Reuters
2017/03/07
女性蔑視?仏広告規制当局が「サンローラン」のキャンペーンに修正要請
Reuters
2017/03/07
フランスの広告規制当局(以下、ARPP)は3月6日、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)社に対し、最新の広告キャンペーンを修正するよう要請した。「サンローラン」の最新キャンペーンに対し、女性を「蔑視している」という抗議が50件ほど届いたことを受けての処置となる。
問題となっているビジュアルは、ファーコートと網タイツを纏った女性が脚を大きく開いて椅子に凭れている構図のものと、レオタードにピンヒール型のローラースケートという恰好のモデルがスツールに前かがみに座ったものの2件だ。
上記の広告はSNS上で話題となり、「サンローラン」に対しキャンペーンを取り下げるよう求める声が起こった。こうした騒ぎがARPPの耳に届き、今回修正を要請するに至ったという。
ARPPのステファン・マルタン(Stephane Martin)代表はロイターに対し、「早急にビジュアルを変更するようブランドと広告掲載先に要請した」と話す。
問題の広告は、「表現されている人間の尊厳」を守る、という広告業界の原則を深刻に侵害していると同氏。
また、マルタンは、出演しているモデルが非常に細いことにも警鐘を鳴らす。ファッションに敏感な十代の少女への影響は大きい。
現在のところ、同件に関して「サンローラン」のコメントは得られていない。
同国の広告倫理審査委員会(Jury d'Ethique Publicitaire)は、本件に関する採決を10日に下す予定だという。訴えに正当な理由があると認められた場合、委員会はイヴ・サンローラン社に広告の取り下げを求めることができる。
2015年にも、肋骨が見えるほど痩せているモデルを起用したとして、イギリスの広告基準局(Advertising Standards Authority)が「サンローラン」のキャンペーンに禁止命令を出している。
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