小松精練 、韓国の繊維素材メーカーKFMと包括提携

by

Kanako NISHIO

掲載日
2015/10/21

　小松精練は、10月21日、韓国の繊維素材メーカーであるコーロンファッションマテリアル（Kolon Fashion Material）（以下KFM）社と、繊維事業での包括提携を締結した。契約期間は2016年からの5ヵ年で、20年には共同事業の売上高30億円を目指す。

　KFM社は、2008年にコーロン（Kolon）グループによって創業。同グループは、97年に韓国で初めてナイロン原糸を生産した企業としても有名だ。KFMは合成繊維の製造・販売および染色加工を主としており、特に透湿防水素材を中心とした高機能繊維は、アメリカを中心としたアウトドア市場で高く評価されている。また、近年ではナノ繊維の開発も進めているという。
 
　2年前、KFM社が小松精練の透湿防水素材を採用したことがきっかけで、その後も販売と技術の両面から協業を続けてきた。今回の包括提携では、グローバル市場での販売拡大を目標に、技術や設備の活用にとどまらず、共同製品の販売促進を目指し、マーケティング活動についても共同で行っていく。

　5ヵ年の計画は、3段階に分けられている。第1ステップでは、ヨーロッパに強い小松精練と、アメリカで存在感を強めているKFM、両社の強みを生かした海外戦略で競争力を強化し、世界レベルの商品の事業化を進める。小松精練側の売上高は、16年に2億円、更に第2ステップに入る17～18年には、ニットの強化や中国市場での拡大も見込み、5億円を目指す。また、最終段階の19、20年の売上高は10億円を目標にする。
 
　小松精練の15年3月期売上高は366億円、KFMの14年売上高は4797億ウォン（約450億円）。今後は事業拡大に向け、合弁での販売会社や生産工場の設立も視野に入れているという。