2015/11/18
第89回ピッティ・ウオモ、プレミアムな提案を強化
2015/11/18
「次のピッティ・ウオモは非常に面白いものになるだろう。敷地面積も増えて1205社という出展社数を記録し、うち新規に参加するブランドは225社にも上る。約2割が新しい顔ぶれだ」と語るのは、同展の社長ラファエッロ・ナポレオーネだ。イタリアのフィレンツェで開かれるメンズ展示会「ピッティ・ウオモ(Pitti Uomo)」第89回の開催日程は、1月12~15日となっている。
全体の43.7%にあたる520社は国外からの出展で、益々国際色を増した。また、今回の大きな特徴として、質の良さを追求したプレミアムな提案の強化が挙げられる。特に、工芸的な商材を集めた「メイク(Make)」スペースでは、今回のプレミアムなコンセプトが前面に押し出される予定だ。
「メイク」は中央パビリオンに隣接した地下スペースで、新しい世代の伝統工芸職人「ニューメーカー(New Makers)」を大きく取り上げる。彼らは最新の技術などを取り入れつつ、今までとは違った視点で伝統を捉え、自分なりの解釈で工芸品を作り出している。そこには、「伝統の技を通じた、過去と現在のクリエイティブな出会い」があるという。
1000平方メートル以上のスペースに45ブランドを迎えるが、「メイク」は規模だけでなく、内容にもこだわっている。ブランドのセレクトにも細心の注意を払った。「60%のブランドを入れ替えて、コーナーを完璧に作り直した。世界中から集まった、特に若い世代を重点的に選んでいる」と、主催団体ピッティ・イマージネ(Pitti Immagine)のバイス・ゼネラルマネージャー、アゴスティーノ・ポレット(Agostino Poletto)は話す。
「ブランドの他にも、ディスプレイを刷新した。デザインスタジオのモナディ(Monadi )に委託している」。
「そこに物語がある、上質な手仕事を重点的に選んだ。少数生産で数に限りがあるような。大半が小規模で、ターゲットは非常に限定された企画になっている。まさにプレミアムという位置づけだ」と同氏は続ける。
「バイヤーが今求めている商品を揃える。セレクトの拡充も狙えるし、何より新興国の消費者のニーズにぴったり合致している。そういった国の消費者は、いつも洗練された好みを持っているものだ」。
やはり同じコンセプトに則って、今回で2度目となる「コンステレーション・アフリカ(Constellation Africa)」も続投する。アフリカのブランドをピックアップして紹介するコーナーだ。国際貿易センター(The International Trade Centre、ITC)のプロジェクト、エシカル・ファッション イニシアティブ(Ethical Fashion Initiative)と共同の企画で、前回は4人のアフリカ出身デザイナーが迎えられたが、そのレベルの高いクリエイティビティが高い評価を得た。
常に最新のトレンドを発信する「ピッティ・ウオモ」。前回はジャンルを超えた進化を扱ったが、今年は世代間の交流が大きなテーマだ。若者は上の世代のワードローブにインスパイアされ、また逆の影響もある。
「メンズファッションは今までになく自由になってきている。世代を超えたスタイルのミックスというのは、そうした流れを非常に端的に表していると思う」とナポレオーネ氏。
他にも、フレンチアウトドアブランド「ピレネックス(Pyrenex)」や、ブロガーのスコット・シューマン( Scott Schuman)が手掛けるカプセルコレクション「サルトリアリスト・ロイ・ロジャース(The Sartorialist Roy Roger's)」や、英老舗ブランド「アクアスキュータム(Aquascutum)」の復活、「カナダグース(Canada Goose)」と「マッチレス・ロンドン(Matchless London)」の特別企画など、様々に話題を集めている。
また、メンズの「ジュン・ジー(Juun.J)」、ウィメンズの「マルコ・デ・ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)」、そして「デザイナープロジェクト」の「アディダス・オリジナルス・バイ・ホワイトマウンテニアリング(adidas Originals by White Mountaineering)」と、特別ゲストデザイナーにも注目だ。
若手イタリア人デザイナーをプロモーションする「ピッティ・イタリック(Pitti Italics)」では、2015年フー・イズ・オン・ネクスト(Who is on Next ?)のメンズ大賞を勝ち取ったヴィットリオ・ブランキツィオ(Vittorio Branchizio)や、元「アイスバーグ(Iceberg)」メンズデザイナーのフェデリコ・クッラーディ(Federico Curradi)などが参加。
更に今回は、フィレンツェで初めて国際ウールマーク賞(International Woolmark Prize)メンズの最終選考が行われる。
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