Reuters
2018/08/22
米タペストリー、「ケイト・スペード」が好調
Reuters
2018/08/22
米タペストリー(Tapestry)(旧コーチ(Coach))社の2018年第4四半期(4-6月)決算は、創業者が死去した「ケイト・スペード(Kate Spade)」ブランドが好調だったことが影響し、31%の増収となった。
ケイト・スペードは、働く若い女性に向けて"手に取りやすい価格のラグジュアリー"を提案、バッグを始めとする服飾雑貨を扱うブランドを立ち上げて成功した人物だが、今年6月にニューヨークの自宅で自殺した。55歳だった。保有していたブランドの残り株は全て2006年にタペストリー社へ売却している。
「ECサイトでも実店舗でも売上が伸びた。創業者の死という悲劇的な出来事に対する顧客の強い反応の表れだ」と「ケイト・スペード」のアンナ・バクスト(Anna Bakst)CEOは話す。
「ケイト・スペード」ブランドの買収によって、タペストリー社はより若い世代への訴求力を高めることに成功した。
また、同社はウェブサイトでの値下げ販売を抑え、百貨店における在庫制限により定価販売を増やしており、基幹ブランドである「コーチ」の売上も回復傾向にある。
リサーチ会社A-Line Partners創設者のガブリエラ・サンタニエッロ(Gabriella Santaniello)氏は、「ケイト・スペード」の伸長について、「彼女が亡くなる前は、店舗で値引き販売が多く行われていたが、それが収まった。再びブランドへの関心が高まっていると考えられるが、それを上手く利用できるだろう」と話した。
2018年4-6月期には、「ケイト・スペード」は売上高が4%増の3億1200万ドル(約344億3300万円)とアナリストの予想平均を上回る業績を記録している。
同ブランドの2019年の売上高については2桁台の増加が見込まれており、既存店売上も上期には増収転換を予想しているという。
一方で、「コーチ」ブランドは5%近くの増収となったが、アナリスト予想を下回った。
2019年通期の連結売上高予想は61億~62億ドル(約6731億1700万~6481億5100万円)。
中国からの輸入関税引き上げに伴う影響について慎重に見守っていく考えだが、同社のバッグのうち中国で生産されているものは全体の5%にも満たないと補足している。
(2018年8月22日現在、1米ドル=110円で換算)
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