資生堂の末川社長が「健康上の理由」で退任、前田会長が社長兼務へ

by

Sarah Ahssen

掲載日
2013/03/12

　資生堂は3月11日、3月31日付で末川久幸社長（53歳）が社長と取締役を退任し、4月1日付で前田新造会長（66歳）が社長を兼務する人事を発表した。末川社長の退任は健康上の理由によるもので、4月1日付で相談役に就任する。末川社長は2011年4月、52歳の若さで社長に就任。それ以前は2005年から6年間社長を務めた前田氏の右腕として活躍していた。

　資生堂は、国内事業の不振のため業績が低迷している。末川社長の就任直前に発生した東日本大震災、欧州債務問題、尖閣諸島問題をめぐる中国での反日デモなどが逆風となり、今年度（2013年3月期）は四半期ごとに業績予想を下方修正してきた。2012年4-12月期連結決算は、売上高が前年同期比1.2％減の4847億円、国内事業は3.2％減の2520億円だった。ただし退任はあくまでも「健康上の理由」であるとし、末川社長は会見で、2月頃から体調に不安を感じるようになり、社長として「全力疾走で挑むのが難しい」状況になったため辞任を決めたと話した。