車椅子利用者向けオーダースーツ 「ハナビシ」が販売

　1935年創業の老舗テーラーカンパニー「ハナビシ（Hanabishi）」が3月16日、車椅子利用者向けにオーダースーツサービスを開始した。同日にオープンした銀座店をはじめ、札幌店、仙台店、新前橋店、池袋店、加倉店の6店舗で販売する。

　ジャケットでは車椅子をこぐ動作や座位姿勢に配慮し、丈の長さや袖付けまわりの外周寸法、腰ポケットの傾斜、ボタンの位置などを工夫。また、負荷がかかっても取れにくいように、前ボタン付けの裏側に補強ボタンを採用し、袖先や袖付けの内側部分には摩擦を防ぐ人口皮革を取り入れた。

　パンツのウエストは脇ゴム仕様で、膝裏に3本の縫込みを施したほか、パンツの前側を浅く仕立て、座位時にダブつく着心地の違和感を解消。脇側に付けられるポケットは座った状態でも使えるように前側に移動し、床ずれを防ぐため後ろポケットの袋をなくした。チャック部分は下げ止まりの位置を深くすることで、着脱時や用を足す際の負担を軽減。チャックの上げ下げが困難な人に向けてマジックテープへの変更を可能するなど、「着る」「脱ぐ」といった動作に特化してデザインされた。オーダーは、スーツ上下で店頭通常価格に9,000円加算された金額で受け付ける。