ケリングが女性の権利を主張する声明を発表、アメリカの人工妊娠中絶禁止に対抗か

　「グッチ（GUCCI）」や「サンローラン（SAINT LAURENT）」を擁するケリングが、SNSで女性の権利を主張する声明を日本時間の6月25日に公開した。声明では「ケリングと全傘下ブランドは、女性に対するあらゆる暴力に対抗しています。私たちは、女性が自分の体や生活について自分自身で決定を下すことのできる自由の権利を支持します」と発表。具体的な明言は避けているが、アメリカの人工妊娠中絶禁止に反対するステイトメントだと見られる。

　アメリカでは、連邦最高裁判所が現地時間の24日に人工妊娠中絶の権利を認めた過去の判決を無効とする判断を示した。今後、中絶の権利が各州に委ねられることになり、中絶の禁止や制限など州ごとに異なる措置が取られることになる。

　ケリングは、女性に対する暴力根絶に向けて2008年にKering Foundationを創設。2020年6月にはアメリカ・ミネソタ州で白人警察官が拘束した黒人男性が圧迫死した事件を端に発した「Black Lives Matter」運動を受けて、反人種差別活動を行う団体への寄付を発表した。

■Kering Foundation：公式サイト