2013/05/29
バーチャル見本市「e-Pitti」が拡大、ロシア語版を追加
2013/05/29
フィレンツェで開催されるメンズファッション見本市「ピッティ イマジネ ウオモ」などを主催するPitti Immagine(ピッティ・イマージネ)社は、同社が2011年6月に本格始動したバーチャル見本市「e-Pitti」のビジター数が増加し、開設後初めて黒字に転じたことを発表した。「e-Pitti」を運営するFieraDigitaleの売上高は、2011年の約100万ユーロ(約1億3100万円)から2012年は180万ユーロ(約2億3580万円)ヘと増加し、2013年は250万ユーロ(約3億2750万円)となる見込みだという。
今年1月に行われた展示会では、1290件のバーチャルブースが参加し、展示商品数は7700件以上に上った。写真掲載数は5万4000枚、動画は1200件だった。アクセス数は15万2000件(前回は11万6000件)、ページビューは合計65万件(前回は50万件)となり、約100カ国(前回は約90カ国)のバイヤーが「e-Pitti」を訪れた。バイヤー1人あたりの平均閲覧時間は12分間で、平均29ページ、8商品を閲覧した計算となる。
「e-Pitti」は毎シーズン、フィレンツェ会場での見本市終了から1週間後に開始され、約6週間にわたってオンライン展示される。「e-Pitti」での展示権は展示スペース料金に含まれており、展示中に15商品の写真撮影を行い、オンライン展示を行う。また、ピッティ・イマージネ社は、同社データベースに登録されている約9万人のバイヤー向けにニュースレターを配信。そのうち(オンラインではなく)実際の見本市を訪れるバイヤーの数は約3万人だという。
FieraDigitaleのFrancesco Bottigliero(フランチェスコ・ボッティグリエーロ)社長は、「バーチャル見本市の重要性を認める企業は増えており、バーチャルブースにアクセスしたバイヤーに定期的にコンタクトをとるなど、オンラインツールの積極的な活用が見受けられるようになった。そのようにして遠く離れた国から大規模な発注を受けたケースもある。バーチャル見本市は優れたビジネスモデルであり、企業とバイヤーの情報交換に役立っている。タグ検索などをはじめとするe-Pittiのサービスは、企業側にもバイヤー側にも好評だ」と話す。「Pitti Uomo(ピッティ ウオモ)」では、先シーズン最も検索数の多かったキーワードは「プリント」、「アーバンスタイル」、「ストリートスタイル」の3つだった。
e-Pitti.comは現在、イタリア語、英語、日本語で展開しているが、6月よりロシア語版もスタートする。ページビューが最も多い国は本国イタリアだが、日本やフランス、英国などからのアクセスも多い。ページビュー数では、イタリアに次いで日本、スペイン、ギリシャがトップを占める。
また、今年10月16日にはミラノで、ファッション業界における先端技術に関するフォーラム「Decoded Fashion」が開催される。ニューヨークを拠点とするTecnamedia社が主催するこのワークショップは毎年ニューヨークで開催されてきたが、2012年11月には欧州版としてロンドンでも実施され、今年はミラノで行われることとなる。
ボッティグリエーロ社長によると、10月開催のDecoded Fashionにはファッション業界とIT業界から約10社が招待され、革新技術を専門としたスタートアップ企業コンテストも開催する。フォーラム開催中にファイナリスト5社がプロジェクトを発表し、優勝者には1万ユーロ(約131万円)が贈られるという。
(2013年5月29日現在、1ユーロ=131円で換算)
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