2019/10/01
パリFW:「ステラ・マッカートニー」のサステナビリティ賛歌
2019/10/01
サステナビリティ全盛の今、「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」はその恩恵を一身に受け、業界の動きをけん引する存在だ。
環境と同じく動物愛護にも熱心に取り組むステラ・マッカートニー。会場であるオペラ・ガルニエ回廊の天井には、動物たちが交尾する映像が映し出されていた。
今年7月にLVMHとのパートナーシップ契約を発表して以来初となるランウェイだが、フロントロウにはやはりベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長の姿があった。
LVMH傘下には、「フェンディ(Fendi)」から「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」まで、ファーやエキゾチックスキンを使っているメゾンも少なくない。今回の「ステラ・マッカートニー」のショーにも、そうした微妙な関係が表れているようにも感じられた。
ショーのプログラムはもちろん"グリーン"で、今までの環境に関する活動が年代別にリストアップされている。
2001年にメゾンを開設し、フェザーとファーの不使用を宣言。さらに動物由来の糊の使用も廃止した。2008年にはオーガニックコットンを取り入れ、2010年はPVCフリー、2012年にはシューズのソールを生物分解可能なものに変え、再生ポリエステルを使うようになっている。また、2013年にアンゴラフリー、2016年にバージンカシミヤフリーを掲げたという。
コレクション自体に集中するのが難しかった感もあるが、とにかくパリで発表された中では一番サステナブルなものであることは確実だろう。しかし、いくつか素晴らしいルックも見られたものの、少し尻すぼみであった印象は否めない。
ストライプのシルクで仕立てたワイドパンツ、長くフルイドなボーイフレンドブレザー、バットウィングスリーブのブラウスに、ミッドナイトブルーのレースのジャンプスーツなどは本当によく出来ていた。他にも、ドレープのガウンドレスや、繊細なディナージャケットなどが目を引いた。
メンズのルックも登場し、カジュアルながらクリーンなスーツや、プレーリーなフラワープリントのパンツ、スカート、トレンチコートなど打ち出している。
先週はLVMHグループの新サステナブル指針「LIFE」のカンファレンスに出席していたステラは、「サステナビリティに関するベルナール・アルノーの非公式アドバイザー」も務める。
アルノー会長は「ステラをLVMHに迎えられて光栄に思う。このような才能の持ち主と仕事ができることを楽しみにしている」とコメントしていた。
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