2019/09/24
パリFW:「マリーン・セル」の"石油流出"コレクション
2019/09/24
「マリーン・セル(Marine Serre)」がパリで発表したのは、その名も「Marée Noire」、「石油流出」というアポカリプティックなショーだった。
会場となったのはオートゥイユ競馬場で、ランウェイは野外に設置された。肌寒く曇った天気のパリの朝、600人程のゲストには黒いビニール傘が配布された。傘にはアイコニックな三日月のプリントが施されている。
先シーズンと同様に終末の世界にインスパイアされたコレクションは、黒いPVCに覆われたキャットウォーク上で披露された。
変わったキャスティングに定評のあるセルだが、エリーズ・クロンベ(Elise Crombez)のようなベテランも起用した。一方で、妊娠中の女性や犬を連れたモデルも登場。
環境破壊で世界が終末を迎えた後も、「マリーン・セル」に身を包んだ生存者たちはとりあえずシックでいられるようだ。
コレクションは4つのコミュニティ別に構成されていて、最初のグループはオールブラックのユニフォームを纏っていた。エンボスを施したバイカーパンツとレインコートをはじめ、様々なリサイクル素材を用いたルックが揃う。ネオプレンのキャットスーツにはフェティッシュなレースアップブーツとフェイスマスクを合わせ、ブラックのオーバーオールを着たモデルはジャーマンシェパードを連れていた。
次に登場したのはレッドのグループで、スキューバ素材のジャラバ風ドレスや、意外にもラグジュアリーなクラス感のあるコートなどが見られた。
その後もアップサイクルレースやシーツ、ナイトガウン、ベッドリネンをクロシェドレスにしたものを纏ったリサイクルテーマのグループと続き、最後はハイブリッドなドレスの腕にミニバッグを巻き付けたルックで締めた。
確かにセルの見せたビジョンは悲観的なものだが、力強い服が揃った。
「私の考えるアポカリプスというのは、"黒い海"よ。それが近づいてきている。気候変動に熱波、大量絶滅の未来がね!」とマリーン・セルは警鐘を鳴らす。
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