2012/09/19
ロンドンコレクション:クオリティ、オーガナイズ共にバイヤーが絶賛
2012/09/19
9月14〜18日に開催されたロンドンコレクションを訪れたフランス人バイヤーたちの話によると、今回のコレクションは構成もオーガナイズも素晴らしく、これまでパリやニューヨークの陰に隠れがちだったロンドンへの注目度が高まっているという。
ロンドンでは、「Paul Smith(ポール・スミス)」や「Burberry(バーバリー)」といった有名ブランドだけでなく、若手デザイナーも注目を集めている。FashionMag.comがロンドンで、バイヤーたちに話を聞いた。
バーチャル展示会「Le New Black」のバイヤー、Emilio Toro(エミリオ・トーロ)氏は、「J.W.Anderson(ジェイダブリュー アンダーソン)やMary Katrantzou(メアリー・カトランズ)をはじめとする一部のブランドは、わずか2〜3年前にコレクションを発表しはじめたにもかかわらず、今やロンドンで大人気となっている」と話す。また、「斬新さを巧みに取り入れ、着たいと思わせるアイテムにアレンジすること。これまでにはなかなか見られなかったスタイルであり、ロンドンコレクションならではの良さだ」という。
仏百貨店「Le Printemps(プランタン)」のファッション部門ディレクター、Maria Luisa Poumaillou(マリア=ルイザ・プマイユ)氏は、特に注目しているブランドとして「J.W.Anderson」や「Christopher Kane(クリストファー ケイン)」のほか、「Acne(アクネ)」や「Peter Pilotto(ピーター・ピロット)」の名を挙げ、「比較的歴史の浅いブランドだが、成熟したスタイルを提案している」と評価した。一方、「Le New Black」のEmilio Toro氏は、注目の新進気鋭デザイナーとして「Luca Nascimento(ルーカス・ナシメント)」や「Georgia Hardinge」、「David Koma(デヴィッド コーマ)」を挙げている。
ラグジュアリーコンサルタント兼ヘッドハンターのPatricia Lerat(パトリシア・ルラ)氏は、「ここ数シーズン、ロンドンには特に注目していなかったが、今シーズンは嬉しい驚きがあった。商品のクオリティもクリエイティビティも素晴らしく、セレクション全体に一貫性が感じられた」と話す。また、英国ファッション協会(BFC)がさまざまな交通手段を用意したおかげで、複数の会場で行われるショールームやファッションショーの行き来がとても快適でスムーズだったという声も多かった。
ミラノコレクションやパリコレの前に行われるという日程的なタイミングも奏功したようだ。Emilio Toro氏は、「他都市のコレクションに比べて移動などのストレスが少なく、各ブランドもリラックスして注文などに対応していたように感じた」と指摘する。Patricia Lerat氏も、「バイヤーにとって、ロンドンコレクションの雰囲気は新たな発見や出会いにつながりやすく、仕事のしやすい環境だと思う」と話す。 また、Maria Luisa Poumaillou氏も、「すべてのファッションウィークは、ロンドンのオーガナイズ力を見習うべきだと思う。デジタル機器の活用においても、ロンドンはかなり先を行っている」と指摘。ロンドンコレクションは今後、ファッションシーンでの存在感を強めていきそうだ。
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