2015/08/04
日本人ファッションデザイナー、パリ最高裁でショー 滞在許可を求めて
2015/08/04
滞在許可のためのファッションショー――日本人ファッションデザイナーの大浦雲平さんが、フランスの主要司法機関が集まるパリのパレ・ド・ジュスティスで、自身の秋冬コレクションを発表した。滞在許可の正規化を求めての行動だと、大浦さんと担当弁護士は説明。パリジャン紙が伝えた。
スリムなスーツ、デニムのアンサンブル、コンビネゾンや流れるような素材を用いたスカート。7月30日の夜、無許可で行われたショーには4人のモデルが登場し、「カジュアル」で時には「ユニセックスな」スタイルの12ルックを披露した。
2006年に学生ビザでフランスに入国した大浦さんは、2013年から滞在許可が下りていない状態だという。フランスでは多くのメゾンで経験を積み、自分のブランド「クラウド・ロビー(Cloud Lobby)」を立ち上げた。
「ご覧になればわかると思いますが、彼は才能に溢れたデザイナーです。フランスはそれを誇りに思い、受け入れるべきでしょう」。投稿された動画の中で彼の弁護士は、ベルナール・カズヌーヴ内務大臣とフルール・ペルラン文化・通信大臣に対し、こう訴えた。
大浦さんの滞在許可正規化に関して、弁護士は2012年に出されたマニュエル・ヴァルスの通達を法的根拠としている。例外的な滞在許可の条件として、「特別な才能(中略)例えば、文化、スポーツ、人道、経済などの分野に於けるもの」が挙げられている。
弁護士がAFPに語ったところでは、既に一度、申請が却下されているという。「入国管理を担当するパリ警視庁は『条件を満たしていないため、通達は適用されない』というが、これが特別な才能でなければ、一体いつ適用するのか甚だ疑問だ。彼は滞在許可正規化のあらゆる条件を満たしている。経済的に自立できており、才能もあるのだから」と強調し、このショーを受けて「警視庁に一本の電話が入る」ことを期待しているという。
大浦雲平さんは、パリ唯一のフランス政府認定校であるAICPで、モデリズム(パターン)の卒業認定資格(ディプロム)を取得。「ヴェロニク・ルロワ(Véronique Leroy)」や「クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)」、「ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)」などのメゾンと仕事をし、今後もパリでキャリアを続けることを望んでいる。「自身のブランドを展開するのに、滞在許可が無いというのは障害になる」と訴えた。
「労働許可が無いため、百貨店でコレクションを販売することもできない。まだ会社を作ることもできていない」という。
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