Reuters
2020/04/08
米アマゾン、NYの物流拠点で消毒剤噴霧を実験
Reuters
2020/04/08
米アマゾン(Amazon.com Inc)が、ニューヨークのスタテン・アイランドにある物流拠点で、消毒剤を霧状に散布する実験を行うという。感染リスクに対する従業員の抗議を受けての対応だ。
感染リスクについては従業員や議員からも声が上がっており、事業の鍵となる施設を閉鎖せずに従業員の安全を保つための施策となる。
先週には、従業員の検温およびアメリカとヨーロッパにおける全施設に対するマスク供給といった指針を発表していたアマゾン。今回の実験では、航空機や病院、医療施設などで用いられている霧状の消毒剤を使用するという。
「従業員の健康と安全を守るため、更なる予防的措置をとっていくつもりです。彼らは我々のコミュニティでなくてはならない役割を果たしています」と同社。
米国内では、対象の物流拠点「JFK8」を含め複数のアマゾン施設で感染リスクに対する従業員の抗議運動が行われていた。
新型コロナウイルスによる死者は世界で8万人以上、感染者数は140万人超に上る。ニューヨークタイムズ紙によると、アマゾンの施設でも50ヶ所以上で感染者が出ているという。さらに、ニューヨークはアメリカの中でも感染の中心地となっている。
アマゾンは従業員間で安全な距離を保つよう指導も行っているとしている。
スタテン・アイランドの物流拠点は、先週抗議運動に参加した従業員が有給での自主隔離中に解雇されたことでも注目を集めた。
件の従業員を「賢いとはいえず、筋が通っていない」と評した内部文書が流出したことで、UFCW(全米食品商業労組)がアマゾン社の幹部連に対し辞職を求める自体にも発展している。その後、上記の文書を記したとされるゼネラルカウンシル(法務責任者)は、安全上の問題を前にして焦って苛立っていたための表現だったと弁解した。
© Thomson Reuters 2024 All rights reserved.