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Reuters
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掲載日
2011/11/22
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日本経済は大震災以前の水準に回復、しかし持続力には不安残る
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2011/11/22
2011/11/22
日本は東日本大震災による景気後退から回復し、7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は前期比1.5%増と、4四半期ぶりにプラス成長となった。ただし、円高や世界経済の減速の影響から、持続力には不安が残る。
Photo : Reuters |
14日発表された経済成長率は、東日本大震災後に混乱した供給網の回復、輸出や個人消費の伸びにより、先進諸国の中でも最も高い伸び率を示した。年率に換算すると6.0%と、市場予想と同水準となった。
しかし、震災前の水準を取り戻したとはいえ、欧州での財政危機やタイの洪水、長期化する円高といったリスクに直面している。
古川元久経済財政担当相は、「世界経済の減速、タイ洪水の被害状況、急速な円高など複数の下振れリスクを注視したい」と述べた。第二次世界大戦以来、最大規模の復興に取り組む日本政府にとって、経済成長の減速は足かせとなる。
21日には、東日本大震災の本格復興策を柱とした2011年度第3次補正予算が参院本会議で成立した。24日に衆院を通過し、月内にも成立する見通しだ。
野田政権は長期的見通しとして、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加により、1980年代のバブル崩壊以来、停滞が続いている日本経済の潜在成長力を高めたい意向だ。
エコノミストたちは11月初めの時点で、10〜12月のGDP成長率は0.5%にとどまると予想している。また、タイの洪水の影響や新興諸国経済の減速により、景気後退に逆戻りする可能性があると指摘するエコノミストもいる。
みずほ総合研究所のシニアエコノミストは、「長期的に見ると、復興事業の急増により公共投資が拡大し、経済成長に貢献するだろう」としながらも、「欧州財政危機の影響による外需の落ち込み」が日本の経済成長への逆風となる可能性を指摘している。
第3四半期の輸出は前期比6.2%増、外需の成長への寄与度は0.4ポイントとなり、5四半期ぶりにプラスに寄与した。
経済活動の約60%を占める個人消費は、自動車購入の回復などにより1.0%増と予想を上回った。企業投資は1.1%増だった。
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