2014/10/15
ファーストリテイリング3年後に売上2.5兆円へ ユニクロ世界展開を加速
2014/10/15
ファーストリテイリングが10月9日、国際会計基準を適用して初めての通期業績を発表した。会見に出席した柳井正代表は、「海外各エリアでユニクロを本格的に事業展開していき、新しいグローバルブランドにする」と話し、検討しているインド進出などに言及。デザイン本部を今後3年間でNYに移す計画など、2020年度の連結売上高5兆円達成に向けた取り組みを明らかにした。
2014年8月期の海外ユニクロ事業は、計画を上回った欧州や中国・台湾が牽引し、大幅な増収増益を達成。2014年に進出したドイツとオーストラリアは「大成功している」といい、今後は欧州主要都市への進出・出店も加速させる。2015年8月期は中国や台湾のグレーターチャイナを中心に200店舗出店し、店舗数は同期末には国内と同等になる計画で、「各国に旗艦店を出店していき、競争力のある商品を拡大していくことで、近い将来に売上高は国内を追い越す」見込みだ。
ファーストリテイリングの2014年8月期は、海外ユニクロ事業に加えて、国内のユニクロ事業も利益率が改善。売上高は日本基準で前期比21.0%増の1兆3,829億円、営業利益は同11.8%増の1,486億円(国際基準では1,304億円)を計上した。当期純利益はJ Brand事業の減損損失127億円により同13.6%減の781億円にとどまったが、全体では計画通りに推移。J Brand事業について柳井代表は、「(損失は)一過性のものなので、数年内に取り返すことができる。世界的にジーンズを確立していく上で、ジーンズやカジュアルの発祥であるロスは必要な拠点になる」と話した。
同グループの2015年8月期は、売上が国際基準で1兆6,000億円、営業利益は1,800億円を予想。2020年度の連結売上高5兆円に向けて3年後には2兆5,000億円を目標に掲げており、今後3年間でグローバル規模の取り組みを進行する。「ファッションとビジネスが結びつく場所」という考えからデザイン本部はNY、次世代ビジネスの本部はサンフランシスコ、文化情報の発信本部はパリやロンドンに移すことを検討。グローバルクリエイティブ統括に起用するジョン C ジェイのような世界で活躍する人材の獲得や世界最高水準のサプライチェーンの構築を目指す。
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