fashionsnap
2015/06/22
美術館がショー会場に "ユニークベニュー"の利用広がる
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2015/06/22
文化施設や公的空間など"ユニークベニュー"と呼ばれる場所が、ファッションイベントの会場として利用されることが増えている。今月だけでも、「ディオール(Dior)」や「エルメス(HERMÈS)」、そしてデザイナー山本寛斎が、都内の3つの美術館や博物館を会場にランウェイショーを開催した。
「エルメス」は、東京国立博物館 表慶館内にランウェイを設営し、プレタポルテの新アーティスティック・ディレクターに就任したナデージュ・ヴァンへ=シビュルスキー(Nadège Vanhée-Cybulski)によるデビューコレクションを披露した。「ディオール」が会場に選んだ国立新美術館は、クリエイティブ・ディレクターを務めるラフ・シモンズ(Raf Simons)が過去に「ジル・サンダー(JIL SANDER)」を手掛けていた2011年にもショー会場に利用。いずれもパリやミラノで発表した最新コレクションと同様のルックを披露するリピートショーだが、それぞれの美術館や博物館のロケーションや建築の特徴を活かした空間演出で、顧客を含め数百名を招いて盛大に開催された。
海外メゾンだけではなく、国立新美術館では2013年に若手デザイナーを中心とした約30ブランドが参加し、「絶命展 -新美編-」と題した合同ショーが行われた。山本寛斎は今月、東京都現代美術館で「日本元気プロジェクト2015 『スーパーエネルギー!!』 Produced by KANSAI YAMAMOTO」を開催。1階エントランスの100メートルの通路をランウェイに、アスリートなどをモデルに起用して新感覚のショーを繰り広げている。
観光庁によると、海外都市では国際会議等に合わせて"ユニークベニュー"と呼ばれる文化施設や公的空間等を利用し、レセプションなどを開催することが一般的になっているが、日本では利用開放が進んでいないという。しかし"ユニークベニュー"と呼べるポテンシャルの高い施設は国内に多く存在するため、集客交流が見込まれる国際的なイベント等の誘致のためにも、利用の促進が図られている。大手メゾンや著名デザイナーが積極的に活用することで、より柔軟な利用拡大が期待される。
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