インターナショナル・ウールマーク賞（International Woolmark Prize）ヨーロッパ部門の審査委員会が7月15日、欧州代表を発表した。ヨーロッパ部門代表に選ばれたのは、ベルギー人デザイナーのChristian Wijnants（クリスチャン・ワイナンツ）。

　インターナショナル・ウールマーク賞は、メリノウールを使用する優秀なデザイナーを選出するため1950年代にオーストラリアのウール業界が設立した賞で、ヨーロッパ部門、中国部門、米国部門、インド部門、オーストラリア部門の全5地域の代表によるグローバル選考が行なわれた後、翌年に優勝者が発表される。

ヨーロッパ部門代表となったChristian Wijnantsとその作品（© International Woolmark Prize）

　ヨーロッパ部門では、フランス人デザイナーAnthony Vaccarello（アンソニー・バカレロ）やアクセサリーデザイナーのOlympia Le Tan（オリンピア・ル・タン）など、17名の中からクリスチャン・ワイナンツが選ばれた。「Lanvin（ランバン）」のアーティスティック・ディレクターAlber Elbaz（アルベール・エルバス）、英『ヴォーグ』誌編集長のAlexandra Schulman（アレクサンドラ・シュルマン）、独『ヴォーグ』誌編集長のChristiane Arp（クリスティアーヌ・アルプ）といった審査員らは、クリスチャン・ワイナンツのニット作品に見られる立体的な構造や高い技術性を評価したという。

　各地域の代表が集まる最終選考は、2013年2月に行われる。各地域代表者はザ・ウールマーク・カンパニーの支援の下、コレクションを制作し、最終選考に臨む。優勝者には10万ドルが贈られるほか、ファッションショー開催権が与えられる。また、優勝者のコレクションは英国のHarvey Nichols（ハーヴェイ・ニコルズ）、中国のJoyce（ジョイス）、ドイツのEickhoff Koenigsallee、米国のBergdorf Goodman（バーグドルフグッドマン）、オーストラリアのDavid Jones（デビッド・ジョーンズ）で販売される。