2017/09/26
パリ ファッションウィーク:「ジャクムス」、母に捧げるセンシュアルなコレクション
2017/09/26
パリ ファッションウィークが開幕し、9月25日に「ジャクムス(Jacquemus)」がピカソ美術館でショーを披露した。デザイナー、シモン・ポルト・ジャクムス(Simon Porte Jacquemus)が母のヴァレリーに捧げたコレクションだ。
きっとエレガントな女性であったのだろうと思わせる、洗練されたセンシュアリティ―と大胆な美を秘めたアイテムばかりだった。
「母は、ビーチで過ごした日の夜や、恋をしている時がいっとう美しかった。夕暮れどきに港を散歩すると、イヤリングや陶器、サロンにヘッドバンドなんかを売る土産物屋の前を通る。そういう女性を今シーズンは描きたかったんだ。ラテンの文化では"Bomba"と呼ぶ、そういう女性をね」とジャクムス。
ジャクムスはフランスではカルト的人気を誇るデザイナーだ。誇張したボリュームとエキセントリックなコンセプトが特徴だが、今回はシルエットをそぎ落としてみせた。着ているモデルもその服を好んでいることが伝わって来る、良いショーだったと感じる。
シンプルなブラウス、ラップスカート、単色のコットンカクテルドレスに、ジャージ素材を使ったトップスなど、立体裁断の習作とも言えるアイテムが目を引いた。繊細でありながら非常にセクシーに仕上がったコレクションでは、ピュアなルックとマイクロバッグやアシンメトリーなアクセサリーとの対比が光るスタイリングが。ヒールとイヤリングは片方ずつが違ったデザインになっていて、ゴシックなメタルとフューチャリスティックなボールをヒールに使ったり、耳元にはゴールドのリーフモチーフとチャンキーなブラックスクエアが一対になっていたりした。
7歳の頃、母ヴァレリーのためにベージュのリネンドレスをデザインしたというシモン・ポルト・ジャクムス。翌日、母はそれを着て彼を学校に連れていったという。
ジャクムスは、「アイディアはシンプルに見えるが、立体裁断は非常に複雑だ。僕の服はとても構築的なことで有名だけど、今シーズンは軽くシンプルなものにしたかった。イヤリングは、母の家具やカーテンから着想を得たもので、彼女はよく模様替えをしていたんだ。全部ミスマッチなのもそれが理由」と話す。
ヴァレリー・ジャクムスは42歳で交通事故により亡くなった。シモンが18歳の時のことだ。それから程なくして自身のブランドを立ち上げた彼は、今や素晴らしいコレクションを生み出している
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