パリ ファッションウィーク：「オフ-ホワイト」のトラック＆フィールド競技　「ナイキ」とのコラボも

by

Godfrey Deeny

掲載日
2018/09/28

　ファッションの世界で、ヴァージル・アブロー（Virgil Abloh）ほど速くキャリアを駆け上がったデザイナーも稀だろう。10年ほど前にカニエ・ウェストと共にパリに来た時はほんの駆け出しだった彼が、今や「オフ-ホワイト（Off-White）」のショー会場をファンでいっぱいにしている。

　レピュブリック広場近くのガレージで行われたショーだが、まずたどり着くまでが大変だった。民間のガードマンだけでなく機動隊までが出動し、招待客は押し掛けたファンの波をかき分けて会場の中に入らなければならない。
 
　「オフ-ホワイト」のロゴがついているものは何でも売れるというご時世、中に入ってもバイヤーたちが渋滞を起こす有様だ。ショーの開始前には、パパラッチがネイマールやダニ・アウヴェスといったスター選手や、彼らとのゴシップで騒がれるブルーナ・マルケジーニをしきりに撮影していた。

　発表されたコレクション自体も悪くない。ベラ・ハディッド（Bella Hadid）とケンダル・ジェンナー（Kendall Jenner）の纏ったオープニングのルックは、シャツとミニスカートを合わせたオールホワイトのスタイルだ。シャツの背中にはドラマチックなアローのロゴが躍る。
 
　その後もオールホワイトが続き、アブローの「ルイ・ヴィトン（Louis Vuitton）」メンズを思い出させた。"サザン・ベル"風のラッフルドレスや、マッシュルームスリーブのカクテルドレス、ヒップの当たりでカットしたコートドレスといったアイテムが目を引いたが、中でもアシンメトリックなカッティングのロングドレスは印象的だった。
 
　そこから徐々にレモンイエローが混ざり始める。レオタードやナイロンのフードつきジャーキンといったワークアウトギアから、ミントブルーのガウンドレスも登場。「ナイキ（Nike）」とのコラボレーションアイテムは、クールなモードと商業的な側面を巧みに組み合わせてみせる手腕が際立っていた。

 　そこから徐々にレモンイエローが混ざり始める。レオタードやナイロンのフードつきジャーキンといったワークアウトギアから、ミントブルーのガウンドレスも登場。「ナイキ（Nike）」とのコラボレーションアイテムは、クールなモードと商業的な側面を巧みに組み合わせてみせる手腕が際立っていた。
 
　アイコニックなプラスチックタグ付きスニーカーを今シーズンはハイヒールに落とし込んだほか、クラシックなデニムジャケットにはメタルチェーンのネックレスを合わせた。
 
　「Track and Field」と名付けられたショーは、その名の通り競技場を模したセットの中で行われた。モデルが歩く様子がスクリーンに映し出され、イベント中ずっとタイムも計測されている。
 
　ヴァージル・アブローはファッションで瞬く間にスターダムにのし上がった。最初は慎ましやかな新人であった彼は、今やインターネットやSNSの世界でも有名人だ。