×

シャネル、コロナ禍の影響は今後2年続く見込み

By
Reuters
掲載日
2020/06/18
シェアする
ダウンロード
記事をダウンロードする
印刷
印刷
テキストサイズ
aA+ aA-

 シャネル(Chanel)の最高財務責任者(CFO)は、新型コロナウイルスによる経済的な影響が今後2年はラグジュアリー業界で続く可能性があるとの見方を示した。メゾンの2020年度業績には深刻な影響が出る見込みだとも話している。

Chanel - Fall-Winter2020 - Womenswear - Paris - © PixelFormula


 現時点での業績への影響については具体的な数字を出さなかったものの、今後12〜18ヶ月間は特に厳しい状況が続くだろうとフィリップ・ブロンディオー(Philippe Blondiaux)CFOはロイター通信に語っている。営業を再開した店舗がある市場では大きな回復が見られたものの、観光客による消費の落ち込みを相殺するには満たないとも同氏。
 
 2019年度業績は13%の増収を計上したが、決算発表後の電話会議では、「ラグジュアリー産業が外敵要因に受ける影響は、少なくとも今後18〜24ヶ月ほど続くと見ている」との見解を示した。

 新型コロナウイルスの感染が拡大して以来、シャネル社もやはり世界中で店舗や工場の臨時休業を余儀なくされてきた。
 
 現在では同社の展開する店舗のうち85%が通常通り営業しており、中国での売上は数週間で100%を超える回復を見せたという。パリ、ミラノ、ベルリンでも顧客が戻ってきたとCFOは述べている。
 
 「現地の顧客による消費は非常に好調だが、各国間の行き来や外国人観光客が消え、免税店の大半が休業している事実を補うには至らないだろう」とCFO。
 
 3100億ドル(約33兆1600億円)規模のラグジュアリー市場だが、コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)によると、今年の売上高は35%程度落ち込む見込みだ。
 
 シャネル社は今年度に関しても黒字を予想しているものの、広告やプロモーションを3分の1以上減らし、生産も抑制する予定で、ファッションショーを含めたイベントの一部は中止、もしくはオンラインでの配信に切り替えるなどしている。

 しかし、今年下半期に予定されている2つのショーは今のところ開催を維持するという。また、素材価格が高騰したため、ハンドバッグなど一部商品を値上げした。
 
 2020年の配当金については差し控える方針だ。その多くはオーナーであるアラン(Alain Wertheimer)とジェラール・ヴェルテメール(Gerard Wertheimer)兄弟に支払われ、昨年は倍になっていた。
 
 CFOは、シャネル社のオーナーや経営体制に変更はなく、グループのグローバルCEOである71歳のアラン・ヴェルテメールは「非常に健康」だとも明かした。
 
 エクスクルーシブでパーソナルな顧客体験を重視するというシャネルは、EC事業で競合他社に後れを取ってきた。しかし、コロナ禍の後もメゾンの方針に変わりはなく、実店舗での販売が中心になるという。
 
 「コロナ禍があろうとなかろうと、ファッション商品やウォッチ、ジュエリーをオンラインで販売するつもりはない」とブロンディオーCFO。
 
 一方で、化粧品、フレグランス、一部の小物はオンラインでも販売されており、こうした商品のECでの売上は、2019年の水準と比べて今年は60%ほど伸長した。
 
 2019年度通期の売上高は123億ドル(約1兆3200億円)で、営業利益は16.6%増だった。
 
 昨年2月に死去したカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)から、後任となったヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)への以降は「スムーズかつ順調に」行われたともCFOは評しており、ヴィアールの手掛けるレディ・トゥ・ウェアコレクションは28%と大きく売上を伸ばしている。
 
 
(2020年6月18日現在、1米ドル=107円で換算)

© Thomson Reuters 2020 All rights reserved.