fashionsnap
2019/06/13
ハナアフの変形バッグがバオバオに酷似、イッセイ ミヤケが販売停止の仮処分を申請
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2019/06/13
イッセイ ミヤケ(Issey Miyake Inc.)が、バッグブランド「ハナアフ(Hanaa-Fu)」の商品が「バオ バオ イッセイ ミヤケ(Bao Bao Issey Miyake)」のバッグデザインと類似しているとして、不正競争防止法違反などを理由に、ハナアフを運営するバルコス社に対して製造、販売および輸入などの差し止めを求める仮処分を東京地方裁判所に申請したと6月13日に発表した。

イッセイ ミヤケは「プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ(Pleats Please Issey Miyake)」の商品としてバオ バオ イッセイ ミヤケのバッグの販売を2000年に開始(当時の商品名は「Bilbao」)し、2010年にブランドとして独立。タイルのようなピースで構成されたデザインが特徴で、バッグに荷物を入れるとピースの境界部分が折れ曲がり、外観が立体的に変形するという独創性の高さが国内外から好評を得ている。
ハナアフは2007年にバルコス社が設立。公式サイトには「美しいディテールと立体感のあるデザインが特徴のブランド。美しい立体的なフォルムは、複雑な構造とそれを可能にする高い技術によって具現化されています。東洋らしいフォルムと、西洋のエレガンスが融合するスタイルが新しいジャパニーズ・モダンを表現します」とブランドについて説明を掲載している。商品はマルイなどで取り扱いがある。
今回イッセイ ミヤケが類似デザインを指摘したのは、「Aries Neo」「Sargas Neo」「Alcor Neo」の3商品。「Aries Neo」「Sargas neo」の2商品については6月13日19時時点で公式オンラインサイトで取り扱っていることが確認できており、いずれも「折り紙から発想を得てつくられたこのバッグは、各所に付いているスナップボタンを留めることで、様々な形に変化します」といった説明が記載されている。
イッセイ ミヤケは「健全な競争が、新たな素晴らしいデザインが生まれてくるために必要なものであることは、いうまでもありません」と前置きしつつ、該当の3商品についてはインスピレーションとして許される一線を超え、「イッセイ ミヤケの商品」と誤認される恐れがあると指摘。ブランドへの社会的信用の毀損にもつながると捉え、2019年2月からバルコス社との間で協議を重ねてきたが、話し合いによる解決の見込みがつかなくなったことから仮処分の申し立てに至ったという。
申請に先立ち、イッセイ ミヤケは知的財産法の第一人者である東京大学教授の田村善之氏と、元知的財産高等裁判所判事で長島・大野・常松法律事務所に所属する三村量一弁護士に、中立的な立場からの法的意見を依頼。両名ともに「消費者の誤認混同を生じさせる恐れが高く、バルコス商品の製造、販売および輸入などの行為は、不正競争防止法2条1項1号の不正競争に該当する可能性が高い」という見解を示しているという。
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