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パリ クチュール:「ジバンシィ」とヴィタ・サックヴィル=ウェスト

掲載日
2020/01/22
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 メンズのランウェイをこなしたばかりのクレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)だが、「ジバンシィ(Givenchy)」のクチュールコレクションもまた素晴らしいものだった。

Givenchy - Spring-Summer2020 - Haute Couture - Paris - © PixelFormula


 今回は自国イギリスの名園シシングハーストキャッスルガーデンにインスピレーションを得て、花にあふれたファンタジックなクチュールショーを見せたワイト・ケラー。登場するシルエットも、アイリス、パンジー、カスミソウといった花を象ったものが多い。
 
 イベント会社Villa Eugénieによる演出も素晴らしく、中世に建設された修道院のチャペルに、室内楽オーケストラの生演奏が響いた。

Givenchy - Spring-Summer2020 - Haute Couture - Paris - © PixelFormula


 舞台となったコルドリエ修道院はフランス革命後の恐怖政治時代に集会所となった場所だが、今は優雅なセットにロマンチックなコレクションが並ぶ。ヴィタ・サックヴィル=ウェスト(Vita Sackville-West)夫妻の庭は、生け垣や塀で区切った区画をそれぞれ「部屋」に見立て、テーマや色に合わせた植物が植えられている点が特徴だ。

 アドゥ・アケチ(Adut Akech)はホワイトのシルクパンツと大きく波打ったグレーのオーガンジーブラウスを纏って現れたほか、ピオニーの形を再現したブルーのドレスも目を引く。さらに、幾重にもフリルを重ねたドレスはつま先まで同じバイオレットカラーのルックに仕上げていた。頭には花びらを模した大きなオーガンジーのハットも。
 
 「ヴァージニア・ウルフとヴィタ・サックヴィル=ウェストの関係を探っていたわ。シシングハーストは何度も訪れたけれど、その魅力に憑りつかれてしまったの!イングランドでも指折りのロマンチックな場所だと思う。今回のコレクションのカラーやフォルムはすべて、彼女の庭から影響を受けたもの。そこに私個人のユベール(ド・ジバンシィ)への敬意を込めてみたの。創業当時からのメゾンのアーカイブを参照したいと思っていし、それで50年代の帽子のシェイプを発見した。クロシェ帽のシルエットのドレスだとかね。ここ数シーズンもボリュームを追求していたけれど、それを最大限のスケールで強調したのよ。あの庭のように、美しく詩的な愛の表現になっているはず」とワイト・ケラー。
 
 

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